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森林の健全度
台風19号をはじめ、各災害での被災地のみなさまにお見舞い申し上げます。
今年の上半期の予想では、水不足の夏になるのでは?との長期予想もありましたが、今年の下半期は本当に雨の多い年になりました。
私の実家のある長野市では、千曲川が決壊し、数多くの方々の家々が水害に遭い、今なお不便で不安な生活を送られています。
記録的な豪雨であったことも確かですが、その大量の雨水を保持することのできなかった周辺の森林にも、その水害の原因の一端はやはりあることでしょう。手入れ不足で林床植生、森林土壌の乏しい人工林では、一気に水が表層を流れ、低地に雨水をもたらし、さらに各地で侵食も発生しました。
けれども、スギやヒノキの人工林が直ちに悪いわけではありません。スギ、ヒノキの人工林であっても、継続的にきちんと手入れが行われてきた場所では、多種類な下層植生が繁茂し、たとえ大雨であっても、土壌流亡や鉄砲水はほとんど発生しなかったようです。
「森林」と一口に私たちは日頃呼んでいます。でも、その森林の健全度、真のすがたについても目を向けていくことが大切ですね。
(上原 記)
長野市・千曲川の決壊。この台風19号の災害は、海外でも報道され、国際的なニュースになりました。
長年の間、手入れをされずに放置されたヒノキ人工林。
下層植生、森林土壌が貧弱で、今回の台風後は随所にえぐられた痕が残りました。
長年にわたって、適切な手入れが行われてきたヒノキ人工林。
下層植生が繁茂し、急斜面でも、水害が発生しませんでした。
【11/30開催】森林保健活動 講演会のお知らせ(大分県国東市)
学会の上原理事長が11月下旬、大分にうかがい、講演会を開催いたします。
地域の森林に関心のある方はぜひご参加ください!
(日 時) 2019年11月30日(土)15時~
(ところ) 大分県国東市「梅の里」
(大分県国東市安岐町富清2244 電話0978-64-6300)
(参加費) 無料です! 事前申し込みも不要です。
(お問い合わせ) ご担当:杉浦さん(090-7468-5074)
秋になりました。森に出かけ、読書をしましょう!
季節は秋。森歩きにも良いシーズンになりましたね。
森に入ったら、ぜひ足元の林床にも目を向けてみてください。
これは、アブラチャンというクスノキ科の樹木です。
クスノキ科独特の良い香りもありますが、その実からは油が採れます。
かつての読書灯には、このアブラチャンの油が使われました。
そして、秋は落ち着いて本が読める季節でもありますね。
これは、詩人の長田 弘(1939-2015)さんの作品。
私たちには、まさに深呼吸が必要です。
表紙はいみじくも樹木のイラスト。
これもまた森林、樹木のもたらすアメニティでしょうか。
上原理事長 韓国訪問
さる9月16日(月)~19日(木)、上原巌理事長が韓国を訪問してきました。
7回目の訪韓となる今回は、韓国南西部の光州広域市にある国立全南大学での特別講義と地域の保健休養林の見学です。
全南大学での講義は同大学林学科の学部生、大学院生、そして一般市民対象に英語で行われ終始聴衆は熱心だったそうです。
また、講義後は韓国で今春出版された「森林アメニティ学」のサイン会も行われました。
現在、韓国では、国として各地の保健休養林の整備が行われており、また曖昧な観光事業ではなく、きちんとした対象、目的を持った森林の保健休養が始まっています。
針広混交林を背景に記念写真
左端が全南大学の安教授、右から2番目が上原理事長
中国、韓国と連続出張でしたが、アジアでの今後の森林の保健休養の可能性がうかがえる旅になりました。
これから日中韓でのコラボレーションの活動も始まる予定です!
上原理事長 中国・北京を訪問
さる9月6日(金)~11日(水)まで、上原 巌理事長が中国・北京を訪問しました。
通算5回目となる北京訪問では、中国園芸療法学会と森林療法国際シンポジウムでのそれぞれ基調講演を担当されました。
また、上原理事長はじめ、住友和弘、高山範理、両副理事長が書かれた「森林アメニティ学」(朝倉書店 2017年)が今年7月に中国で翻訳、発売され、その臨時サイン会もシンポジウム前に行われたそうです。
中国と連携した研究、活動も今後楽しみですね!
9月7日の学会。記念写真も広大です!(上原理事長は中央です)
理事長の名前は、中国では変わった名前なので、とてもおぼえやすいそうです。
現代中国の名門大学である清華大学の李樹華教授(左)との記念撮影。
なんと二人には10年以上前からのご縁があり、上原理事長が兵庫県立大学に勤務した時の前任者が李教授だったそうです。また、教授のご子息は現在、東京農業大学に留学中です。
なお、上原理事長は、清華大学のみどり療法研究センターのコンサルタントにも招聘されました(初任期は3年間です)。
森林療法国際シンポジュウム後の記念撮影。
上原理事長の右隣は、ドイツ・バート・ウェーリスホーフェン市保養課長のペトラ・ノッカーさんです。理事長の書かれた森林療法の翻訳がアジアに広がり、今や中国とドイツにも架け橋が渡りました。
シンポジュウム前の臨時サイン会。
「森林アメニティ学」が中国でもめでたく出版されました!
これから日中の友好に森林と保健休養もキーワードになりましたね!