NPO法人日本森林保健学会 > 会長挨拶

会長挨拶

日本森林保健学会 理事長 上原 巌

日本森林保健学会 理事長 上原 巌

長い不況が続き、多くの人々が自分の仕事や健康などにおいて、将来への不安を感じるようになりました。
また国内の自殺者の数は年間3万人を超え、「病んでいる」という言葉が,普段の生活の中でもよく見聞きされるようになりました。

精神科医の神谷美恵子さん(1914-1979)は、「少なくとも深い悩みの中にある人は、どんな書物よりも、どんなことばによるよりも、自然の中にすなおに身を投げ出すことによって、自然の持つ癒しの力-それは彼のうちにも外にも働いている-によって癒され、新しい力を恢復するのである。」と、代表的な著書「生きがいについて」の中で、自然の持つ癒しの力について書いています。

私たちの身近な自然の一つに森林があります。
現在、日本の森林は国土面積の約7割を占めており、私たちの住む日本は、衣食住に至るまで古来からの森林の文化を持ち、森の恵みを受けてきた国の一つです。

しかしながら、私たち人間の健康が危ぶまれている一方で、日本の森林にもいま病んでいるところが各地に見られます。松枯れやナラ枯れをはじめ、全国各地で増える一方の放置林の状況など、かつて里山としてあった地域の森林に人が入らなくなるにつれて、身近な存在だったはずの森が遠くなり、森林の健康もまた損なわれてしまっています。

本学会ではそうした私たち人間も、また私たちの周りの森林も、共に健やかな生命のあり方を目指していくことを目的としています。
具体的には、地域の身近な森林環境を利用した医療や、福祉、教育、心理、保育などにおける実践を通して、森林保全や環境教育とも協力しながら、様々な専門職が実践経験に基づいた情報交流を行い、いま望まれている森林と人間とのかけがいのない関わりあい方を研究、模索し、広めて行きます。

地域の森林と人間の健康を考える、医療、福祉、教育、心理など、幅広い方々のご参加をお待ちしております。

皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
 

2010年8月 設立を記念して
日本森林保健学会 理事長 上原 巌
Copyright(C)2012-2017 The Society of Forest Amenity and Human Health Promotion In Japan, All Rights Reserved.