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思い出の場所=おもてなしの場所
先日、フィンランドとインドから、森林療法の友人が来日しました。
様々なところにご案内しましたが、一番みなさんが落ち着かれ、心身ともに納得されたのは、私が幼少期から慣れ親しんできた長野の森でした。有名な観光地よりも、無名で個人的な思い出のある場所の方が、友だちのこころには響き、伝わるものが多いのでしょう。自分の思い出の場所は、最高のおもてなしの場所になるのですね。
- 1969年
- 2019年の同じ場所
- インドからの友人です
みなさんにとって、思い出のある森はありますか?
今はまだないという方でも、これからぜひそんな森を作ってみてはいかがでしょうか?
- 1969年
- 2019年の同じ場所
2019年も大変お世話になりました。今年は6月に学会創設10周年の記念シンポジウムを開催し、学会理事の書いた「森林アメニティ学」(朝倉書店)が、韓国、中国でも出版される節目の一年になりました。
来年2020年もまたシンポジウムの開催を企画しています。皆様方のますますのご参加を心よりお待ちしています。
それでは、みなさま、どうぞ良いクリスマスと良いお年をお迎えくださいませ。
(上原 記)
森林の健全度
台風19号をはじめ、各災害での被災地のみなさまにお見舞い申し上げます。
今年の上半期の予想では、水不足の夏になるのでは?との長期予想もありましたが、今年の下半期は本当に雨の多い年になりました。
私の実家のある長野市では、千曲川が決壊し、数多くの方々の家々が水害に遭い、今なお不便で不安な生活を送られています。
記録的な豪雨であったことも確かですが、その大量の雨水を保持することのできなかった周辺の森林にも、その水害の原因の一端はやはりあることでしょう。手入れ不足で林床植生、森林土壌の乏しい人工林では、一気に水が表層を流れ、低地に雨水をもたらし、さらに各地で侵食も発生しました。
けれども、スギやヒノキの人工林が直ちに悪いわけではありません。スギ、ヒノキの人工林であっても、継続的にきちんと手入れが行われてきた場所では、多種類な下層植生が繁茂し、たとえ大雨であっても、土壌流亡や鉄砲水はほとんど発生しなかったようです。
「森林」と一口に私たちは日頃呼んでいます。でも、その森林の健全度、真のすがたについても目を向けていくことが大切ですね。
(上原 記)
長野市・千曲川の決壊。この台風19号の災害は、海外でも報道され、国際的なニュースになりました。
長年の間、手入れをされずに放置されたヒノキ人工林。
下層植生、森林土壌が貧弱で、今回の台風後は随所にえぐられた痕が残りました。
長年にわたって、適切な手入れが行われてきたヒノキ人工林。
下層植生が繁茂し、急斜面でも、水害が発生しませんでした。
【11/30開催】森林保健活動 講演会のお知らせ(大分県国東市)
学会の上原理事長が11月下旬、大分にうかがい、講演会を開催いたします。
地域の森林に関心のある方はぜひご参加ください!
(日 時) 2019年11月30日(土)15時~
(ところ) 大分県国東市「梅の里」
(大分県国東市安岐町富清2244 電話0978-64-6300)
(参加費) 無料です! 事前申し込みも不要です。
(お問い合わせ) ご担当:杉浦さん(090-7468-5074)
秋になりました。森に出かけ、読書をしましょう!
季節は秋。森歩きにも良いシーズンになりましたね。
森に入ったら、ぜひ足元の林床にも目を向けてみてください。
これは、アブラチャンというクスノキ科の樹木です。
クスノキ科独特の良い香りもありますが、その実からは油が採れます。
かつての読書灯には、このアブラチャンの油が使われました。
そして、秋は落ち着いて本が読める季節でもありますね。
これは、詩人の長田 弘(1939-2015)さんの作品。
私たちには、まさに深呼吸が必要です。
表紙はいみじくも樹木のイラスト。
これもまた森林、樹木のもたらすアメニティでしょうか。
上原理事長 韓国訪問
さる9月16日(月)~19日(木)、上原巌理事長が韓国を訪問してきました。
7回目の訪韓となる今回は、韓国南西部の光州広域市にある国立全南大学での特別講義と地域の保健休養林の見学です。
全南大学での講義は同大学林学科の学部生、大学院生、そして一般市民対象に英語で行われ終始聴衆は熱心だったそうです。
また、講義後は韓国で今春出版された「森林アメニティ学」のサイン会も行われました。
現在、韓国では、国として各地の保健休養林の整備が行われており、また曖昧な観光事業ではなく、きちんとした対象、目的を持った森林の保健休養が始まっています。
針広混交林を背景に記念写真
左端が全南大学の安教授、右から2番目が上原理事長
中国、韓国と連続出張でしたが、アジアでの今後の森林の保健休養の可能性がうかがえる旅になりました。
これから日中韓でのコラボレーションの活動も始まる予定です!