NPO法人日本森林保健学会 > information

新着情報:information 一覧

ミシガン州立大学にて(今月のひとこと:10月)

2017-10-01

上原巌理事長が、8月~10月の2か月間、アメリカのミシガン州立大学(Michigan State University:MSU )に短期の客員教授として訪米されています。

MSUは、ミシガン州イーストランシング市にあり、1855年に創立され、アメリカでは初めての州立農学校として誕生した大学です。かの南方熊楠も、その農学校時代に留学をされています。

MSUの広大なキャンパスには、大木が生い茂り、また構内を流れるレッドシーダー川のほとりには、学生たちが憩い、また同大学の学歌では、その木陰や川が登場します。日本の校歌、学歌の情緒性とも共通していますね。

また、MSUに到着した8月21日は、北米では99年ぶりとなる皆既日食の日。ちょうど午後2時半前後から、ミシガンでも皆既日食が観測され、太陽の約70%が月のかげに隠れたそうです。

上原理事長は二ヶ月間、同大学の農学部林学科(Department of Forestry)で、「Forest amenities and forest therapy」という講義と実習を週3回(月、水、金)行っていますが、1966年にミシガン州立大学と東京農業大学との姉妹校協定の締結以来、農大の教員がミシガンで授業・実習を担当するのは、初めてとのことです。

また、9月13日~15日には、ドイツ北部のバルト海に浮かぶ島Usedamで、ヨーロッパで初めての森林と健康の国際会議が開かれました。ヨーロッパ各国から200名余の参加者が集まり、上原理事長はヨーロッパ以外からの唯一の講演者として招待されました。

初日の基調講演に続き、翌日にも異例の追加講演を依頼され、森でのワークショップも行ったとのことです。

また、ドイツ、ヨーロッパでも、「森林療法 Shinrin-ryoho」の名称がかなり根付いていることで、「里山 Satoyama」 のように、「森林療法 Shinrin-ryoho」 もそれぞれのお国柄のもと、正しい形で定着していけばいいですね。

理事長は、10月21日(土)に帰国される予定です。

キハダ(今月のひとこと:9月)

2017-09-01

みなさんは、キハダという樹木を知っていますか?

主に冷温帯に自生するミカン科の樹木です。

キハダの名前は、樹皮を剥くとその内皮が黄色いことに由来しており、その黄色い内皮にベルベリンという物質が含まれ、昔から健胃腸剤として使われてきました。

そして、このキハダの樹皮ですが、実は利用しているのは私たち人間ばかりではありません。野生の動物もまた利用しており、林地を歩くと、野生のシカに樹皮を食べられているキハダに出会うことがあります。彼らは本能でこの樹木の薬効を知っているのですね。あるいは、シカの社会もストレス社会であり、胃腸の弱ったシカが多くなってきているのかも知れません(笑)。

これらもまた、森林のアメニティ、豊かさですね。

秋です。森林で、健康づくりのできる樹木も探してみましょう!

※キハダの人工栽培(畑地栽培)は、長野県が全国に先駆けて始めました。

最新ニュース3つ!(今月のひとこと:8月)

2017-08-01

残暑お見舞い申し上げます。
連日、猛暑が続いておりますが、皆様方におかれましては、いかがお過ごしでしょうか?

さて、今回は、次の3つのニュースがあります。

1.上原理事長 中国・北京を訪問
昨年に引き続き、上原 巌理事長が、中国より招聘を受け、北京にて、7月28日~30日まで、森林療法の研修会をおこないました。熱心で、積極的な参加者が多く、上原理事長自身も勇気づけられ、元気になる研修会だったとのことです。現在、中国では、森林の造成、緑化と共に、森林を活用した健康増進にも急ピッチで力が注がれています。
昨年は、台湾森林保健学会との国際締結も行われましたが、中国本土との交流も今後さらに活発化する予定です。
中国・北京での森林療法研修会の記念撮影(7月29日)
中国・北京での森林療法研修会の記念撮影(7月29日)

研修会の様子 連日、みなさんとても熱心で、積極的な研修会でした。
研修会の様子 連日、みなさんとても熱心で、積極的な研修会でした。

2.上原理事長 アメリカ・ミシガン州立大学で客員教授
理事長ニュースが続きますが、8月21日(月)~10月20日(金)まで、アメリカ・ミシガン州立大学農学部林学科で、2か月間の客員教授を担当されます。その内容につきましては、同大学のHPをご覧ください。
http://hufflab.weebly.com/people.html 
http://hufflab.weebly.com/teaching.html
担当される科目名は、「Forest Amenities and Forest Therapy」。講義は、月、水、金の週3回あり、実習も試験も行うそうです。
アメリカのお土産話もまた楽しみですね。

3.「森林アメニティ学」の発刊 
上原 巌理事長、住友和弘副理事長ほか、学会会員の高山範理先生などで抱えた新刊「森林アメニティ学」(ISBN: 978-4-254-47052-9)が朝倉書店より、9月15日に発売されます。先生方の長年の研究成果が集約されており、この分野の本の決定版、テキストとなることと思います。
どうぞご高覧ください!
「森林アメニティ学」の発刊 
「森林アメニティ学」 9月に発刊されます。どうぞご高覧ください!
※表紙デザインは、異なる場合があります

涼しい場所をさがしましょう!(今月のひとこと:7月)

2017-07-04

今月のひとこと(7月)7月に入り、いよいよ夏の到来ですね。
都市部では、早くも連日30℃を超える暑さになっています。でも、そんな時におすすめなのが、やはり森林です。

ざっと言って、盛夏期では、市街地と比べて森林の中は4~8℃くらい気温が低く、涼しい環境です。

これは、木陰による影響もありますが、樹木、植物から空気中に蒸散される水分のおかげです。

お住いの近くに神社やお寺はありませんか?
寺社林などでもその涼しさは味わうことができます。

森の木陰にたたずむと、林床にスポットライトのように木漏れ日がさしているのを目にします。

この木漏れ日も林冠、樹冠を手入れすることによって、ある程度演出することができます。
森林の風致効果には、気温の緩衝作用と見た目の美しさの双方がありますね。

第7回学術総会&研修会が盛況に開催されました

2017-06-26

6月24日(土)、今年も東京農業大学を会場に、第7回目の日本森林保健学会が開かれました。

今年は、クマ研究の第一人者である、森林生態学研究室の山﨑晃司教授に、クマについての基調講演をいただき、その後、6件の会員発表が行われました。
各発表について、長時間、熱心な質疑応答が続き、また今年は事例発表が多く、充実した会になりました。

研究発表後の総会では、昨年秋に、学会誌第一号が刊行されたこと、海外では、台湾森林保健学会も設立され、海外提携も始まっていることなどが報告され、また学会の運営では新たに学生会員枠が設けられ、学会奨励賞も設けられました。

翌日の25日(日)は、世田谷・成城学園に残るかつての里山、緑地での研修会を行いました。
成城学園周辺には、国分寺崖線があり、薪炭林の樹種をはじめ、竹林や湧水も見られます。
身近なみどりにも大きな魅力がありますね。

みなさまのおかげで、今年の日本森林保健学会も無事に終了しました。
連日ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!

これからも、本学会では小さな萌芽から、大きな夢を目指していきます!
学会誌への投稿もお待ちしています。

Copyright(C)2012-2024 The Society of Forest Amenity and Human Health Promotion In Japan, All Rights Reserved.