NPO法人日本森林保健学会 > information

新着情報:information 一覧

いつも不思議に思うこと(今月のひとこと:6月)

2017-06-21

現在、全国各地に、森林を活用した地域活性化の企画、事業が行われています。特に、保養地や自然療法をうたった地方自治体が数多く見られます。

「当方の森林率は80%を超えており、森林は宝の山です」
「森林で新たな産業、ビジネスを興して、なんとか若い人に帰ってきてもらわないと」などの言葉をよく耳にしますね。

しかしながら、森林、人員が揃っても、そうした森林保養、自然療法のビジネスは、まずうまくいかないのが現状です。各地で立派な看板、パンフレット、HPは作ったものの、その実態は虚像に近く、起業、事業のほとんどは、開店休業状態だったり、長期の営業不振で悩んでいたり、ということはないでしょうか?

その不振、低迷の理由は明瞭です。

端的に言って、それらの事業では、実際には人に対しても森林に対しても適切なケアができていないからです。このことに尽きます。

いくら森林率が高く、いくら人員数が揃っていても、保健休養を希望する 相手の気持ちやニーズを的確にとらえ、そして地域の森林の現況を率直に見据え、その双方に対する適切なケアができなければ、ビジネスも事業もうまくいくはずがありません。適切なケアができないような状況下では、人間であっても、森林であっても今より健やかにはなりえません。

では、どうしたらいいのか良い方法を教えてもらいたい、人材養成の研修会を開けばどうだろう、資格を交付すればよいか、などの意見も次によく聞くところです。

でも、人のケアのマニュアルはありません。また、研修会を行い、資格を出したところでも、よいケアができないのであれば、何にもなりません。

本学会では、森林と人間のその双方が健やかになっていく適切な道筋を考究していきたいと思っています。


<日本森林保健学会 第7回 学術総会のお知らせ>
日 時:6月24日(土)13:00~
場 所:東京農業大学・世田谷キャンパス 7号館3階 共通製図室
テーマ:人間は本当に森林が好き?!

内 容:

  1. 基調講演 13:00~14:00
    「どうしてクマに遭う機会が増えたのか?」
    東京農業大学 森林総合科学科 教授 山﨑晃司 先生
  2. 会員発表: 14:15~16:30(一人 発表15分、質疑応答5分)

    ①「森林の保健休養効果に関する様々な条件の考察 ―線形代数の手法の活用―」
    上原 巌(東京農業大学)

    ②「象徴としての樹木、森林と保健的効果」
    近森 聡(関西大学)

    ③「IT企業の社員を対象とした職場の身近な自然環境を利用した15分間のリフレッシュ効果」
    竹内 啓恵(東京農業大学)

    ④「メンタルヘルス対策として職場の身近な自然環境を活用した事例―ワークショップ後の動向について―」
    長井 聡里(株式会社JUMOKU)

    ⑤「森林療法が通したストレス緩和の効果~認知症看護認定看護師教育課程における環境の体感的理解を通して~」
    狩野 英美(山梨県立大学看護実践開発研究センター)

    ⑥「八ヶ岳南麓、豊かな森の資源を活かした女性のヘルスプロモーション 」
    伏見 正江(山梨県立大学看護実践開発研究センター)

  3. 懇親会 18:30~

【研修会】
日 時:6月25日(日)10:00~12:00
場 所:世田谷区成城3丁目緑地 大雨中止

日本森林保健学会会員の方は、両日とも無料です。
非会員の方は、基調講演は無料、会員発表は1,000円、学生は500円です。
なお、研修会の参加は会員のみに限らせていただきます。

日本森林保健学会 第7回 学術総会のお知らせ(プログラム追記)

2017-06-21

<日本森林保健学会 第7回 学術総会のお知らせ>

日 時:6月24日(土)13:00~
場 所:東京農業大学・世田谷キャンパス 7号館3階 共通製図室
テーマ:人間は本当に森林が好き?!

内 容:

  1. 基調講演 13:00~14:00
    「どうしてクマに遭う機会が増えたのか?」
    東京農業大学 森林総合科学科 教授 山﨑晃司 先生
  2. 会員発表: 14:15~16:30(一人 発表15分、質疑応答5分)

    ①「森林の保健休養効果に関する様々な条件の考察 ―線形代数の手法の活用―」
    上原 巌(東京農業大学)

    ②「象徴としての樹木、森林と保健的効果」
    近森 聡(関西大学)

    ③「IT企業の社員を対象とした職場の身近な自然環境を利用した15分間のリフレッシュ効果」
    竹内 啓恵(東京農業大学)

    ④「メンタルヘルス対策として職場の身近な自然環境を活用した事例―ワークショップ後の動向について―」
    長井 聡里(株式会社JUMOKU)

    ⑤「森林療法を通したストレス緩和の効果~認知症看護認定看護師教育課程における環境の体感的理解を通して~」 
    狩野 英美(山梨県立大学看護実践開発研究センター)

    ⑥「八ヶ岳南麓、豊かな森の資源を活かした女性のヘルスプロモーション 」
    伏見 正江(山梨県立大学看護実践開発研究センター)

  3. 懇親会 18:30~

【研修会】
日 時:6月25日(日)10:00~12:00
場 所:世田谷区成城3丁目緑地 大雨中止

日本森林保健学会会員の方は、両日とも無料です。
非会員の方は、基調講演は無料、会員発表は1,000円、学生は500円です。
なお、研修会の参加は会員のみに限らせていただきます。

健康茶、薬用茶のすすめ(今月のひとこと:5月)

2017-05-01

みなさんは、薬草茶やハーブティーはお好きですか?
昨今の健康ブームにのり、「健康茶」という表現をしたお茶もありますね。

そんな健康茶、薬用茶の一つに、桑茶があります。

写真は、東京の世田谷の東京農業大学キャンパス内に自生するヤマグワです。
ヤマグワの甘酸っぱい果実は鳥が好んで食べ、その種子をあちこちに排泄することで、各地にヤマグワで稚樹が芽生えます。
こうして都市部の街路でもヤマグワを見かけることがあるのですが、その葉を摘んで、生葉に熱湯を注ぐと、即席の桑茶を楽しむこともできます。

この桑茶には、トリテルペン,モルシン,クワノン(プレニルフラボン誘導体)などの物質が含まれており、高血圧や中風の予防に効用があります。

爽やかな五月。身近な樹木、植物の葉でお茶を楽しんでみてはいかがでしょうか?

ヤマグワの生葉にお湯を入れてしばらく待つと、即席の桑茶が楽しめます!

山林でのワークショップ(今月のひとこと:4月)

2017-04-03

いよいよ4月。また、新たな年度の始まりですね。
本年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

うららかな春の日。長野県北部の村の山林でワークショップを行いました。

午前中は、村役場、林業会社、村内の社会福祉協議会、福祉施設の皆さんと、地域の共有林を散策です。
村の山林は、アカマツ林を主体に、広葉樹二次林、カラマツ、スギ、ヒノキなどの林分がモザイク状に存在している森林です。

今回は玉切りした丸太を使って、居場所づくりの練習も行いました。

午後は、役場の会議室をお借りし、KJ法を使って、同村の森林活用について、皆さんで考えました。
KJ法は、フィールド調査研究の川喜田二郎先生が考案した、アイディアのまとめ方の技術です。

本学会では、今年も国内外の森林に出かけ、その地域の森林と人間がより健やかになっていくことを目指していきます!

信州の山村の春に出かけました。まずは地域の山林をみなさんと森林散策。


伐採した丸太の端材を運搬リレーし、みなさんの居場所を創りました
 

「KJ法」を使ってのアイディアの話し合い

上原巌理事長が台湾を訪問:台湾森林保健学会

2017-03-09

3月1日~8日まで、上原巌理事長が台湾を訪問。
昨年に引き続いて、4回目の訪台です。

今回は山村と都市部での2回の研修会を行いました。
研修会は、頼美玲さん(東京農大生の保護者)、林一真さん(馬階医学院教授)、そして台湾森林保健学会の後援のもと、行われました。

一つ目の研修会は、台湾南投県の竹山鎮大鞍里頂林路の標高約900mの山村にて、

  1. 森林保健活動の概論
  2. 森林保健の事例(地域高齢者、障害者、労働者、医療、福祉)
  3. 森林保健活動のワークショップ(傾聴、ブラインド・ウォーク、カウンセリング実習、運動療法、樹木の芳香抽出など)

などのセミナー、事例研究、ワークショップを行い、台湾および竹山地区における森林保健活動の可能性を地域の方々と考察しました。

二つ目の研修会は、台湾新竹市の台湾基督長老教會聖書学院において、

  1. 森林保健活動概論
  2. 事例紹介(高齢者対象、労働者対象)
  3. 森林カウンセリング(大学生、不登校、労働者、障害者)
  4. 幼稚園におけるワークショップ
  5. 森林公園におけるワークショップ

などを行い、台湾および新竹市における森林保健活動の可能性を地域の方々と考察しました。

1週間の日程の中、移動距離も長く、連日分刻みのハードスケジュールでしたが、とても充実した研修会を実施することができ、計100名以上の方がご参加されました。

また、昨年2016年に協力協定を締結した台湾森林保健学会とのコラボレーションも行うことができ、さらに両国の森林保健活動が前進したことと思います。

台湾のみなさまも、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
両国の友情の輪がさらに広がることを強く願っています!

Copyright(C)2012-2024 The Society of Forest Amenity and Human Health Promotion In Japan, All Rights Reserved.