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第3回 学術総会が開催されました!
日本森林保健学会の第3回目の学術総会が、6月22日(土)に、東京農業大学・世田谷キャンパスで開催され、今回も北海道から山陰地方まで、全国の方が集まりました。
長井聡里先生の基調講演[/caption]今年の基調講演は、「森林とこれからの保健医療にとって大切な全体観 -森と人との出会いからわたしが学んだこと-」のテーマで、関西でご活躍の産業医、長井聡里先生にお話をいただきました。
長井先生は、実際に地域の森林を活用した実践をされており、「全体観」という言葉をキーワードに、これまでの出会いや事例、疑問点、そしてこれからの展望、可能性についてわかりやすくお話をされました。
次に、「報告」として、「福島の森林での放射能測定」について、本学会理事長の東京農業大学教授の上原 巌より、3年間の継続調査の中間報告が行われました。シビアな数値も報告されましたが、放射能、除染、そして健康問題には、詳細で多角的な調査継続が必要とされ、また何が本質的な問題なのかを常に考えていく必要があります。
最後に、今年の会員発表では、「放置林での林内作業による気分・ストレス変化」のテーマで、東京農業大学大学院生の竹内啓恵さんより、発表がありました。各地域に増加する放置林は、現在の日本の森林・林業の大きな問題の一つであり、その放置林をむしろ活用しての保健休養のあり方もあるのですね。
学会の2日目には、会員有志の方々で世田谷の等々力渓谷を散策しました。
等々力(とどろき)渓谷は、太古の頃から、人々の命の水を運んできたところで、周囲には、いくつかの古墳もあり、かつては、修験の場でもありました。東京都区内では唯一の自然渓谷であり、昭和8年(1933年)には、すでに風致地区に指定されています。
関西からご参加された方の感想としては、
「都会の環境から、突然ポーンと異世界に入った感じがする」
とのことでした。現在の等々力渓谷は、常緑樹化が進み、樹々は一層と緑濃く茂っています。
都市部にひっそりと残るこのような貴重な自然環境を本学会でもまもっていきたいものです。
また、理事会・総会では、本年度から、
○日本森林保健学会誌「森林保健研究」の発行
○研究助成
の2つの事業が新たに始められることが承認されました。
双方とも、会員の皆様方の積極的なご投稿、申請をお待ちしています。
なお、会の終了後の懇親会場に向かう途中、大きな虹がかかっていました!
学会の希望の前途と、皆様方のますますのご健勝を祈っています。