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キハダ(今月のひとこと:9月)
みなさんは、キハダという樹木を知っていますか?
主に冷温帯に自生するミカン科の樹木です。
キハダの名前は、樹皮を剥くとその内皮が黄色いことに由来しており、その黄色い内皮にベルベリンという物質が含まれ、昔から健胃腸剤として使われてきました。
そして、このキハダの樹皮ですが、実は利用しているのは私たち人間ばかりではありません。野生の動物もまた利用しており、林地を歩くと、野生のシカに樹皮を食べられているキハダに出会うことがあります。彼らは本能でこの樹木の薬効を知っているのですね。あるいは、シカの社会もストレス社会であり、胃腸の弱ったシカが多くなってきているのかも知れません(笑)。
これらもまた、森林のアメニティ、豊かさですね。
秋です。森林で、健康づくりのできる樹木も探してみましょう!
- ゴツゴツしたキハダの樹皮。この独特の樹皮のため、落葉期でも判別しやすい樹木です。
- キハダの樹皮が飾られた、信州の薬局の店頭。標高1000m前後にキハダは自生します。
- キハダを原料とした目薬や、健胃腸剤。いずれもキハダのベルベリンが使われています。
- キハダのコンテナ苗(奈良県林業センター)。奈良でのキハダは、「陀羅尼助丸」という健胃腸剤の原料になっています。
※キハダの人工栽培(畑地栽培)は、長野県が全国に先駆けて始めました。