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森と川と災害の関係
今年もまた各地で豪雨災害が続いていますが、みなさまのおすまいのところはいかがでしょうか?
下の写真は、わたしの信州の実家の裏を流れる川の様子です。
平常時と激しい降雨時の写真を並べてありますが、降雨時は水位が上がるだけでなく、川水が茶色く濁っているのがわかりますか?
実はこのことは、この川の上流にある森林があまり健全でないことを示しています。
森林にはたとえ激しい雨が降っても、それを木々の枝葉や林床の植物でまず受け止め、次に落葉や土壌で吸収し、土中に雨水を貯めこんで、それをろ過しながらゆっくりと下流にながしていく機能があります。そのため、森林からは、急激にではなく、常時同様のスピードで水は流れているのです(水源涵養機能)。
突発的な集中雨が降ると、急に水位が上がったり、濁った川水が流れ出たりするのは、そうした機能が低い森林であることを示しています。
雨も川も森林とつながり、森林の姿を浮き彫りにしているのですね。
この秋は各地での水害が発生しないことを願っています。
それには、私たち人間だけでなく、森林もしっかりと手当てをしなければなりません。
(上原 記)