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新年のご挨拶
明けましておめでとうございます。
森林と人間の健康について考え、取り組んでいくこの小さな学会が生まれてから今年は2年目になります。樹木にたとえると、種子から芽生え、すっと茎と葉を伸ばして、これから成長していく段階に入ったところでしょうか。
薫風の5月には、東京農業大学で学術総会も予定しています。
現在、日本は長期の不景気下にあり、また年間の自殺者数はもう13年も連続で3万人を超えています。そして、各地には限界集落と呼ばれる山村ができ、地域には30~40年以上も放置されたままの森林が増えてきています。社会的なひきこもり数や児童の虐待などの問題も年々増えています。
このような曇天の冷たい状況下で、私たちは一体何について学び、どのように進んでいったら良いのでしょうか?
その学びのモデルも実は自然、森林の中にあります。
森林、樹木は無言です。
無言のうちに、様々な環境要因、低温や長雨、あるいは日照り、強風や大雪などに耐え、自らの枝葉を伸ばし、果実を実らせて、生命をまっとうしています。
私たちもそうした自然に生きる生きものの一つです。
様々な環境条件のもと、素直に、生来の自己のあり方、自己の生命を輝かせていくすべを今年も自然、森林に学んでいきたいと思っています。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2011年新春吉日
日本森林保健学会 理事長 上原 巌