新着情報
みどりのアメニティ(今月のひとこと:4月)
みなさん、こんにちは。
新年度がスタートしましたが、いかがお過ごしでしょうか?
今春、森林関係の学会が関東のある大学で開催され、出かけてきました。
出来たばかりの新校舎で開催されたのですが、写真はその校舎内のトイレのデザインです!
木材や観葉植物が使われ、各階によって異なるみどりや自然の風景、背景があしらわれています。とても大学のトイレとは、とても思えない斬新なセンスですよね。
しかしながら、トイレにみどり、植物を使うことは、実は日本文化の中では伝統的に行われてきていることです。
右の写真は、青梅市の古民家の雪隠(せっちん:トイレのこと)です。
ナンテンの木を周囲に植え、雪隠を目隠ししていますが、ナンテンの葉には抗菌作用、実には去痰や解熱作用があり、「南天:ナンテン」という名前からは「難を転じる」ということもかけてありました。病気、わざわいは、トイレ周り、消化器系統の臓器にあらわれると考えていたのかも知れません。
また、雪隠という言葉には、和文化の繊細さ、こまやかさも表れていますね。
下の写真は、長野市戸隠神社の男性トイレのようすです。
スギの葉が便器内に置かれ、飛散防止と消臭、防虫を兼ねています。
夏目漱石の随筆などでも紹介されており、こうした風習は古くから行われ、樹木、植物の持つフィトンチッドの働きを生活の知恵で活用していたものともいえるでしょう。
今年の年度初めは、トイレのおはなしとなりましたが、2016年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。
日本森林保健学会事務局 一同