新着情報:今月のひとこと 一覧
台湾からのお客さまに信州の保養地をご案内しました。(今月のひとこと:9月)
先日、国立台湾大学、馬偕医学院、行政院森林管理局などから計7名のお客様が来日されました。
今回は、日本の森林浴、森林療法、また保養地の視察を目的に来られ、御一行を、日本の代表的な避暑地であり、保養地である長野県軽井沢町と、環境省選定の国民保健温泉地である長野県鹿教湯温泉(かけゆおんせん)の2箇所をご案内しました。
軽井沢町は、国内はもとより、海外にも有名な自然リゾートですが、もともとは江戸時代からの宿場町から、高標高、高い森林率、宣教師を中心とした海外保養者の増加、また結核サナトリウムの建設などによって、「屋根のない病院」と呼ばれ、保健保養地として発展してきました。
また、鹿教湯温泉は、数百年前から、山に囲まれた地形が脳卒中、脳梗塞などの患者さんの療養、リハビリテーションに適し、様々な病気、怪我を負った人々が湯治をしてきた温泉地です。現在では、全国から、保養、療養、リハビリテーション目的の方々がお見えになり、温泉保養施設も充実しています。
軽井沢町、鹿教湯温泉、ともに地域の自然を生かした保養、療養地として歴史を積み重ねてきた場所であることが特徴ですね。
現在は、付け焼き刃的で、インスタントな「健康基地」のようなものも企画されていますが、歴史と時の流れは、安易な村おこしやビジネス企画、お金よりもやはり貴く、価値があるものです。
いにしえの癒しの旅を辿ることは、現代の新たな癒しの旅につながっています。
- 保健保養地の発祥となった、森の中の教会 (軽井沢町)
- 雲場池での散策(軽井沢町)
- リハビリで鹿教湯温泉を訪れたご夫妻
- 鹿教湯温泉のまちなか。歩行障害を抱える方にもわかりやすく、距離表示ではなく、歩数表示になっている。
- 交互の温冷浴、歩行水槽などの鹿教湯温泉のリハビリ施設。ドイツのクナイプ療法の施設にも似ています。
近な森林を再発見しましょう(今月のひとこと:8月)
残暑お見舞い申し上げます。
連日、猛暑が続いていますね。
この暑さの中、関西の地域病院で定例の森林療法を行いました。この病院では昨年より毎月2回のペースで、森林療法を行っています。
森林療法の実践にあたっては、まず看護師、作業療法士の方々と一緒に地域の森林に出掛けて踏査を行い、そのあとで患者さん、看護師、作業療法士の方々と再度その森林に出掛けて森林療法のひとときを過ごし、最後に患者さん一人一人から評価を行ってもらっています。
森林療法、森林の保健休養は、各地の森林を活用して、特別なお金、投資などをせずにできるものです。
これからも日本の各地域で、森林を活用した保健休養、医療、福祉が身近に気軽にできるようになることを願っています。
残暑厳しい折、どうかくれぐれもお体をご自愛ください。
なつかしい風景を探してみましょう(今月のひとこと:7月)
暦は、7月、文月に入りました。
各地の山村、森林を訪ねると、水田には青空が映り、カエルやセミの声を聞くことができます。なつかしい里山の風景ですね。
でも、「なつかしさ」とは何でしょう? 日頃、なにげなく「なつかしい」と思うことがありますが、よくよく考えてみると、「なつかしさ」は曖昧なものであり、英訳なども難しいものです。
けれども、あえて一言でいってみると、「なつかしいもの」とは、「昔から変わらないもの」のことではないでしょうか?
昔から変わらない自然の山、川、空気、鳥や虫の声。それは、移ろいやすい都市部にではなく、地域、田舎にあります。
この夏は、各地の「なつかしい風景」をさがしてみてはいかがでしょうか?
地域の森林を見直そう!(今月のひとこと:6月)
今月末は、例年通り、東京農業大学(東京都世田谷区)にて、本学会の学術総会が開かれます。
今年のテーマは、「森林の健康=人間の健康 !?」です。
全国各地で手入れ不足の森林、「放置林」が年々増加し、地域の環境、社会問題の一つにもなっています。また、病気の森林、元気のない森林は、その地域に暮らす人々の心身の健康にも影響を及ぼします。
今年の総会では、森林と人間の相互の健康についてあらためて考えてみたいと思います。
どうぞご参加ください!
身近な森林に出かけてみましょう。
身近な森林の状態は、いまのみなさんの心身の健康状態とも相関関係があるかも知れません。また、「健康」「生命」をあらためて示唆してくれます。
上原理事長の台湾再訪(今月のひとこと:5月)
さわやかな薫風の候、皆様方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?
4月下旬、上原 巌理事長が、台湾園芸療法協会より招かれ、森林でのワークショップ、国際会議での基調講演、また台湾で出版された2冊の本のサイン会を行ってきました。
台湾には、天然林が数多く残っており、また各地に日本様式の棚田、石垣なども残り、コンビニなどでも日本の製品が数多く並び、今日でも日本文化の影響が色濃く感じられます。
上原理事長は今回、台湾山間部に残る先住民の村も複数たずね、樹木、薬用植物を主とする森林調査、農村調査を行ってきました。
新北市郊外の天然林の森林公園でのワークショップでは、グループでのカウンセリングワークに始まり、薬用植物、食用植物の紹介、リラクセーションの時間、芳香蒸留水の製作、樹林を使っての自己カウンセリングなどを終日行いました。
台湾園芸療法協会主催の国際会議では、日本の森林療法の紹介と、台湾における可能性についての2時間の基調講演を行いました。
台湾と日本には気候風土、民族の違いはありますが、共通要素、共感できる要素も数多くあります。
次回は、当学会において、台湾、また韓国やドイツ、アメリカなどの諸国との国際共催を計画したいと思います!
- 森林公園でのカウンセリングワークショップ
- 天然林でのワークショップ。60名以上の方がご参加され、とても盛況でした!
- 天然林の林床での横臥リラクセーションの時間
- 森で集めた樹木の枝葉から芳香蒸留水を製作
- 森林公園での自己カウンセリング