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新着情報:今月のひとこと 一覧

上原理事長の台湾再訪(今月のひとこと:5月)

2015-05-06

さわやかな薫風の候、皆様方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?

4月下旬、上原 巌理事長が、台湾園芸療法協会より招かれ、森林でのワークショップ、国際会議での基調講演、また台湾で出版された2冊の本のサイン会を行ってきました。

台湾には、天然林が数多く残っており、また各地に日本様式の棚田、石垣なども残り、コンビニなどでも日本の製品が数多く並び、今日でも日本文化の影響が色濃く感じられます。

上原理事長は今回、台湾山間部に残る先住民の村も複数たずね、樹木、薬用植物を主とする森林調査、農村調査を行ってきました。

新北市郊外の天然林の森林公園でのワークショップでは、グループでのカウンセリングワークに始まり、薬用植物、食用植物の紹介、リラクセーションの時間、芳香蒸留水の製作、樹林を使っての自己カウンセリングなどを終日行いました。

台湾園芸療法協会主催の国際会議では、日本の森林療法の紹介と、台湾における可能性についての2時間の基調講演を行いました。

台湾と日本には気候風土、民族の違いはありますが、共通要素、共感できる要素も数多くあります。

次回は、当学会において、台湾、また韓国やドイツ、アメリカなどの諸国との国際共催を計画したいと思います!

今月のひとこと(4月)

2015-04-01

四月、新たな年度、新学期が始まりましたね!
本年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今年は全国各地で、開花、新葉の芽吹きが一気呵成に見られています。
 
また、山間部ではアブラチャンの黄色い花などが春の訪れを告げています。
アブラチャンは、クスノキ科クロモジ属の香りの強い木です。実からは油が採れ、かつては読書灯の油にも使われていました。


 
そして、春の目覚めの旬の食べ物もあります!
 
これは、信州・伊那谷のヤブカンゾウ(ユリ科)のおひたしです。ヤブカンゾウは、解熱や利尿などの薬草としても用いられます。

 
新たなエネルギーのみなぎる春。
みなさまの新たなスタートをお祈り申し上げます。

樹木の香りを取り出す(今月のひとこと:3月)

2015-03-02

先日、信州の伊那谷からお客様がみえ、樹木から芳香蒸留水を取り出す実演をしました。

アロマセラピーをはじめ、現在、様々な香り、フレグランスが人気ですね。

樹木、植物の香りもその一つですが、その香りの取り出し方は実はとても簡単で、ご家庭でも気軽にできるものです。

今回は、クスノキ、サワラ(ヒノキ科)、ヒマラヤスギ(マツ科)の3種類の樹木の枝葉を取り、それぞれを切り刻んで、蒸留水と一緒にフラスコに入れ、アルミホイルでふたをして、30分ほど煮出し、芳香蒸留水を作りました。

もちろん樹木の香りであっても好き嫌いはあります。
けれども、樹木の持つ香りには、私たちの本能的な嗅覚に働きかける自然の力をやはり感じます。

樹木の芳香成分の持つ、抗菌作用や成長促進効果についても調べているところです。

3月は新旧交代の時期でもありますね。
今年は樹木の香りで演出をしてみてはいかがでしょうか?

どこかで春が(今月のひとこと:2月)

2015-02-03

これは、東京の奥多摩、標高550m地点でのイロハカエデです。
 
冬芽からすでに新芽が吹き出て、葉を展開させようとしていますね。
 
 
各地の里山では、このように芽吹く準備を整えている落葉広葉樹があちこちに見られ、樹木にとっては、すでに春の支度はもうできていることがうかがえます。
 
しかしながら、一斉に木々がまだ芽吹かないのは、葉の展葉には依然としてやはり寒く、適温、適切な成育開始の条件ではないからです。試しに室内や温室に入れてみると、見事に芽吹く樹木が数多くみられます。
 
 
 
2月。
まだ山深いところでは、雪もまた深く、あたりは白い静寂の世界です。
 
でも、実はこの時期、山の木々たちは新たな芽吹き、成長へのエネルギーをみなぎらせ始めているのですね。

今月のひとこと(1月)

2015-01-01

あけましておめでとうございます!
昨年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

森林には、「美」があります。
森林の風景を眺め、「美しいな」と私たちが思う時、私たちは森林の造形美、色彩美、そして美的要素を感知し、そう思うのですね。
また、森を眺める時、過去の思い出を想起したり、物語を空想したり、擬人化をすることもあります。
ドイツの林学者ザリッシュ(Heinrich von Salisch:1846-1920)は、「森林美学(Forstaesthetik)」という林学体系の一部門を確立したと云われています。

「施業林において経済的な利益を追求することと美しい森林を造ることは基本的に調和する」「施業の誤りは、森林の美的な取り扱いによって防ぐことができる」と彼は考えていました。

そのドイツ林学に学んだ日本の新島善直、村山醸造の二人は、「森林美学とは、美学と森林の風景との関係、森林美と樹木の美的価値、森林美造成の技術的手段であり、森林に関する一切の美的活動を考究すること」と考え、ザリッシュのような施業林の美に限らず、天然林も含めた森林美に対象を広げ、考察しました。

現在では、「機能的にも優れている森林は、デザイン的にも優れている」と評されることもあります。

しかしながら、「美」というものはもともと主観的なものであるため、その美を「科学的」に取り扱うことには大きな困難がありますね。

「美しい」と一言で表現できる森林の中にも一つ一つその要素を考察してみると、色にはじまり、形、光、影、構成、高さ、太さ、多様性、奥行き、音、風、気温、湿度、水、生物群、そして石、土などの無生物にいたるまで、たくさんの要素があります。また、秩序と無秩序の組み合わせから成り立っているのが森林、ともいえます。

けれども、たとえ、科学的に最終的にとらえきることができなくても、やはり森林の美は厳然としてそこにあり、だからこそ絵画、写真、映画、小説、詩、俳句、音楽などに古来より人々はそれを表現してきたのですね。
そして何よりも、森づくりそのものが芸術、アートであるともいえます。

今年はぜひ森林の美を心身でかんがえる一年にしたいと思っております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

日本森林保健学会 事務局

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