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新着情報:今月のひとこと 一覧

最良のコミュニケ―ション 待つこと

2020-06-01

新型コロナウイルスへの対策から、全世界的にテレワーク、遠隔会議、Webパーティーなどが行われるようになりましたね。会議にしても、飲み会にしても、画面を見ながらのコミュニケーションはオンタイムの感覚は味わえますね。しかしながら、そのコミュニケーションはやはりパソコンやスマホ上での可及的なものです。

スカイプやズームなどの便利な道具ができる前は、電話が遠隔での主なコミュニケーションでした。相手の顔は見えず、声と会話による時間です。そして、その電話ができる前は、電信、電報があり、その前は手紙がずっと長い間、私たちの遠隔のコミュニケーションでした。

でも仮に、もしもその電話も、手紙までもが使えなくなってしまったら?たとえば、大きな災害が発生した時などは、現在でもその状況に陥ることがあります。その時はどうしたらよいのでしょうか?

その場合の最良のコミュニケーションは「待つ」ことです。

今月のひとこと(2020年6月)

この写真は、世田谷の街路のエノキです。

伐採され、その切り株の上にはアスファルトが敷かれました。
けれども、このエノキは生きており、切り株から萌芽し、アスファルトを突き破ってふたたび新梢、新葉を出しました。このエノキはまた地上に出られることをずっと待っていたのですね。

今月のひとこと(2020年6月)

自然界の樹木、植物は言葉のないコミュニケーション、non-verbal communicationをその誕生から行ってきました。朝から夜までの日周をはじめ、春夏秋冬の季節に至るまで、植物は無言で日々を暮らし、好機や適期を待っています。たとえ言葉は届かなくても、相手をひたすら待つこと。そんな姿勢も樹木、植物は教えてくれます。

普段と同じ息抜きを!

2020-05-01

自粛生活が始まってから一か月が経ちました。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

このような状況下での一番良い過ごし方の一つは、普段と同じ息抜きや気分転換を、今できる範囲でしてみることですね。

身の周りに樹木や木立ちはありますか?
ソーシャル・ディスタンスを十分にとり、いつもの息抜きをしてみましょう!

今月のひとこと

これからの森づくりの目標

2020-04-01

今日から新たな年度が始まりました!
しかしながら、今年はコロナウイルスの対策に追われ、例年とはかなり異なる年度初めになっていますね。
コロナウイルスをめぐって、世界がまさに一緒に動いています。その点において、現在は世界の国々が一帯感を持っていると言えるのかも知れません。

先月の中旬、日本森林林業振興会からの研究助成を受け、神戸市立森林植物園、愛知県森林公園に出かけてまいりました。
コロナウイルスの影響を受け、各地の森林公園は人出が増え、みなさん適切な距離を保ちながら春の散策を楽しんでおられます。
森での人々のお顔を拝見すると、いい笑顔で歩いている方がとても多く、久方ぶりにほっとした表情を垣間見ることができます。また、森や公園のあちこちで遊ぶ子どもたちの声は弾けています。

神戸市立森林植物園内の針葉樹林 太平洋戦争中に植林されたものです

今月のひとこと(2020年4月)

神戸市立森林植物園内のアカマツ、コナラ林 かつての里山の名残です

けれども、飲食を伴うお花見などは、東京・上野公園の桜をはじめ、禁止となっています。宴会となると、また事情は異なります。

森林や森林公園に出かけてリフレッシュすることができるのはわかるけれど、そこに行くまでの移動にリスクがある、と思う方も多いことでしょう。都市部や住宅街にお住いの方は特にそうでしょう。
交通手段などを用いなくても、またどこに暮らしていても、自宅から歩いて行ける範囲に、自分の森があればいいですね。このことは、これからの日本の森づくりの一つの指標、目標にもなることでしょう。

今月のひとこと(2020年4月)

森で清々しくなるだけでなく、森を清々しい気持ちで歩けるようになりますように。

コロナウイルスvs森林

2020-03-03

コロナウイルスが連日報道されています。
その流行の実態が不透明なまま、買い占めなどの二次的な騒動を引き起こしているところもまた厄介なところです。

今月のひとこと(2020年3月) CNNニュースでの日本の学校の休校のニュースです
CNNニュースでの日本の学校の休校のニュースです

人ごみに不必要に出かけない、大人数での集会を開かないなど、様々な予防指針も出されていますが、自宅の環境以外では、もし近隣にあるのであれば、森林も安全な場所と言えます。
※ただし、大人数ではダメです。

森林の空気は一般に清浄であり、殺菌効果を持つ樹木、植物もあります。
心身が疲れたり、癒しを必要としたりする時だけでなく、コロナウイルスのような伝染病の時にも森林は安全な避難場所(safe site)になります。

そう言えば、かのニュートンも万有引力の発見をしたのは、ペストがロンドンをはじめとする都市部で流行し、生まれ故郷のウールソープの田舎に疎開した時のことでした。

今月のひとこと(2020年3月) 森林はセーフティ・サイトになりえます!
森林はセーフティ・サイトになりえます!

間伐の効果

2020-02-03

寒中お見舞い申し上げます。

みなさんは、「間伐」という言葉を聞いたことがありますか?
植えた樹木が成長し、やがて密度が高くなってきた林を適切な本数、空間に間引くことを間伐といいますね。
間伐をすると、残された樹木の成長が促進されます。
また、林の足元、林床に光が射すようにもなり、様々な植物が芽生えるようにもなります。

でも、間伐にはそのような生理、生態的な効果だけではなく、私たち人間にとっての風致作用にも大きな影響をもたらします。それは間伐によって見かけがすっきりし、林間の見通しが利くようになるため、歩く人の不安感を和らげるはたらきがもたらされるのです。たしかに鬱陶しい林間を歩く時には、まるでジャングルの中を歩くような不安感や恐怖感もありますが、いったん林間がすっきりすると、落ち着いて過ごすことができます。

通常の林業で行われている間伐にも、保健休養効果に影響力を持っているのですね。

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