新着情報:今月のひとこと 一覧
林業と、もうひとつは何?
暦は6月。これから梅雨の季節ですね。
今年は桜の開花や木々の芽吹きが早かったので、梅雨入りも早いかも知れません。
先日、信州そばの種子をシャーレ、鹿沼土、庭土に蒔いてみました。
発芽は三日後。発芽率はほぼ100%です。
痩せ地でも育つソバは、山間地で育てられ、林業の片手間にも栽培されました。
「林業+X」、「本業+X」が指摘される今日、ソバの存在価値は見直されています。
ちなみにソバのこの幼苗、おひたしにして食べることもできるのです。
また、そば殻は枕にも使われますね。
林業と何かもう一つ。それは木材以外のアメニティが多いです。
樹木の香りは抗菌スプレーにも使えます!
風薫る皐月をいかがおすごしでしょうか?
さて、写真は、山林から採集したクロモジの枝を65%エタノールに漬けたものです。
クロモジ(クスノキ科)の成分が入り、良い芳香がします。
長いコロナ禍の生活ですっかりエタノールは日常のあちこちでみかけるようになりました。
でも、樹木の香りを加えるだけで、その用途はさらに広がりそうですね。
森林、樹木の恵みは様々なところでこれからもその魅力を発揮していくことでしょう。
世界の森林は、世界の人をつなぐ
日本では新しい年度が始まりましたね。
本年度も当学会をどうぞよろしくお願い申し上げます。
3月下旬、お隣の韓国の羅州市にて、森林療法の研修会をおこなってまいりました。
韓国山林庁のある大田市ともオンラインでむすび、中継されました。
ご参加された皆様方は終始、とてもご熱心でした。
また、その翌週はカナダ・ケベック州、またスイスから9名のお客様がご来訪されました。森林療法について1時間半の講義を英語でおこないましたが、フランス語圏の方が多く、わたしの英語はさらにフランス語に通訳されました。
海外からのお客様は珍しいことではありませんが、地球の裏側からはるばる東洋の日本までお越しいただいたことに、本当に胸が熱くなりました。
これらの研修会を通して感じたことは、「世界の森林は、世界の人をつなぐ」ということです。芸術や科学の分野ももちろん世界をつなぎますが、「森林でつながる人間関係」もありますね!
本年度も世界各地の方々とさらに交流の輪を広げていきたいと思っています。
(上原 記)
節目には植物 これも日本文化です
いままさに卒業式シーズン。
日本では、桜の花が卒業式にも、そして入学式にも、象徴的に使われますね。
散り行く桜と開花の桜です。
日本ではちょうどこの時期が「年度」「学期」の変わり目にあたるので、桜はその両方のシンボルになるわけです。
でも、この季節の花や植物を用いるのは春だけではありません。夏や秋、冬でさえも、植物を用います。夏の朝顔、秋のすすき、冬の門松。
この伝統文化はこれからも伝承していきたいものですね。
そして、卒業生のみなさん、晴れの門出おめでとうございます!
喜寿は青春です
まもなく立春。寒い日もありましたが、もう春ですね。
さて、この度、本学会会員の桐原 肇さまより、御本をご恵与いただきました。
桐原様は、信州安曇野のお生まれで、現在は大阪にお住まいです。以前にも2冊のご著書を学会にご寄贈いただいております。
桐原様は75歳から全国の街道を歩き始め、喜寿の77歳で4000kmに到達されたそうです。南は鹿児島から、北は北海道までの8つの街道と道中をのべ161日かけて603万歩、4162.7㎞歩かれた記録が今回のご出版です。
内容は、日付ごとに天候、気温、場所、そして桐原さんの思いが書かれ、まさに布石を集めた重みのある一冊になっています。
副題は、「喜寿の青春賦」。はい、喜寿は青春ですね。桐原様、素敵な出版をありがとうございました!
「街道歩き4000km」 桐原 肇 著 出版:澪標(みおつくし)2023年1月発行