新着情報:今月のひとこと 一覧
食事の大切さ
コロナ禍も落ち着き、大学での講義、実習も平常に戻って、演習林での宿泊実習も通常通りにおこなわれるようになりました。そこで、再認識したのが、山での食事の大切さです。
コロナ禍での実習では、給食業者の方に来林していただくことができず、毎食同じメニューの仕出し弁当や、コンビニ弁当での食事でした。しかも、食べ盛りの学生によっては、あっという間になくなってしまう分量です。けれども、その量の少なさもさることながら、冷たいお弁当を3食いただくことの弊害は、それも9泊10日などの長丁場となると、健康面にも良くないことです。体も活性化できず、気分的にも籠城をしているような暗い心持ちになりがちでした。「食べられるだけでも幸せ」との考え方ももちろんありますが、真夏でも冷たい雨天下での実習日が続いたりすると、心身ともに冷えこんでしまうこともままあるのです。
山では、食べ物がおいしく感じるといいますね。様々なおいしさがありますが、そのおいしさはやはり手づくりのあたたかい食事です。
学生たちは毎食よく食べ、もちろん、実習も、そして宿舎の清掃もよくやりました。
毎食の残飯はゼロ。
食事は生活の基本ですね。そのことを森林での実習でも再認識いたしました。
(上原 記)
新年度が始まります!2024年度もどうぞよろしくお願いいたします
先日、海外からのお客様を明治神宮にご案内いたしました。
100年前の人工植栽による神宮の杜が、いまでは自然林と見まがうばかりの威容となっており、みなさん感心しておられました。
※ある国のウェブサイトでは、「都内唯一の原生林」と紹介されていたそうです。
新年度スタートの今月から、各地の森林、里山、放置林、森林公園に順次おうかがいたします。また、学校、社会福祉施設、病院、官公庁などにもあわせておじゃまする予定です。
7月6日(土)、7日(日)には、筑波大学を会場に学術総会が開催されます。
本年度も森林と人間の健康を考えてまいります。
皆様方からのリクエストも常時受け付けております。
2024年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。
日本森林保健学会 事務局一同
森林と福祉 森福の連携がはじまっています
福岡県は八女市の山林に出かけてきました。
八女市は「八女茶」でも名高いところですね。
今回は、地元の社会福祉施設の方々との森林療法をおこないました。
まずは放置された林間に入っての整備作業をおこない、焚き木を集めます。これは作業療法になります。また、その焚き木は、福祉施設のボイラーに使います。次に整備された林床でお茶の葉を見つけたり、ヤブツバキの花芽の香りをかいだり、落ち葉を集めて、落ち葉のベッドを作ったりして楽しみました。これらすべてが森林療法になるのです。
農業と福祉がコラボレーションした「農福連携」という言葉がありますね。
森林と福祉がむすびついた「森福連携」もこれから各地で広がっていくことでしょう。
本学会では、森林と福祉の実践研究にも引き続き取り組んでまいります。
寒中お見舞い申し上げます 森林と樹木のワークショップ
暦は2月に入りました。
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
長野県大町市に、講演とワークショップで出かけてまいりました。
当日、会場には、地元大町市の山林から、ヒノキ、サワラ、アカマツの枝葉も運ばれ、樹木の香りを抽出したり、KJ法を使ってのワークショップをおこなったり、地域の森林と人間との関係を再考するひとときを過ごしました。
みなさん、地域の森林、樹林に出かけていますか?
どの森林、樹木もみなさまの訪問を待っています!
立春の佳き日、ぜひ出会いに出かけましょう。
こんなこともある!
2024年 令和6年 あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いいたします
年頭の一言は、その年の抱負や希望を語るものですね。
しかしながら、今年は、こんなこともあるということを一筆書きます。
今から10年以上前のこと。
「森林療法」という言葉を生んで、まだ数年の頃のことです。
ある団体がこんな問題を起こしました。
「森林療法の医療関係者をこの地域に連れてきてあげる」
ある一人の「医師」がとある地方自治体にそんな話をして、医療関係者を連れていく約束をしました。都会で開業をしている「お医者さん」です。
当時は、森林療法を求めて、様々な自治体が試行錯誤をしていました。
その医療関係者を待つ自治体の方々は、宿泊先、食事、移動のバス、そして手土産まで心づくしで対応をしました。
しかしながら、「医師」の方の実態は、実は医療関係者ではなく、「医師」が自分の仲間、知り合いに「一緒に〇〇市に行かないか? むこうが全部宿泊代も食事代も出してくれるよ」
と呼びかけて集まった「物見遊山のグループ」だったのです。
一行が去ったあと、「なにかおかしい」と思った自治体の方から私に連絡があり、事の顛末が明らかになりました。かなりの金額を使ってしまったそうです。
もうひとつ、同じ頃のこと。
ある大学の学生さんから、「森林療法について教えてください」とのメールがありました。
早速メールに返信をすると、「さすがですね!それでは、今から〇〇時間以内に、〇〇〇字位にまとめて送ってくれませんか? 今日の私のゼミ発表に間に合うと助かります」との返信でした。なんとその学生さんは、ゼミの要旨を巧みに書かせようとしていたのです。いまは、Chat GPTの時代ですが、この人にメールをすれば、簡単に答えを教えてくれると思われたのかも知れませんね。
様々なことが今年もあることと思います。
みなさまの地域に出かけ、みなさまからのご質問、ご要望にもおこたえしていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
理事長 上原 巌
事務局 一同