新着情報:今月のひとこと 一覧
今月のひとこと(10月)
10月に入りました。
本格的な秋ですね。
スポーツの秋、勉強の秋、食欲の秋、芸術の秋、読書の秋です。
私は、その秋の日、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス市に出かけ、アメリカ園芸療法協会(American Horticultural Therapy Association:AHTA)での発表をしてまいりました。
AHTAで発表をするのは2001年以来、12年ぶり2回目で、今回は1時間の発表と質疑応答を行いました。
日本での様々な森林の保健休養のあり方や、樹木、森林の効用について事例やデータを織り交ぜながら発表をしましたが、アメリカの聴衆の方からの主な反応は次の通りです。
- お金をかけずにできることが素晴らしい。多額の初期投資で園芸療法ガーデンを造らずとも、身近な森林に出かけるだけでもよい効果が得られるとは!
- アメリカ(ミネソタ)には、身近なところに森林が散在しており、いつでも保健休養の場とすることができる。
- 人工林と天然林では、保健休養効果に差が生じるだろうか?また、どんな樹木が好適なのか?
- 森林での保健休養効果の持続時間はどのくらいか?
アメリカに限らず、日本でも、身近な森林での健康増進、保健休養はもちろんできますし、特別なお金、初期投資などをかけずともできます。
森林での保健休養は、いろいろな国の方々にとってますます重要な意義を持っていくことでしょう。
発表を終えた晩は、ちょうどミネアポリスできれいな仲秋の名月を愛でることもできました。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
理事長 上原 巌
今月のひとこと(9月:長月)
日本森林保健学会編 「回復の森」が台湾で出版されました!
まだ残暑の厳しい毎日ですが、朝夕の空気が涼しくなってきました。
今回は、本学会の創立記念で出版した「回復の森」(2013年)が台湾で中国語に翻訳され、出版されたニュースをお伝えいたします。
これまでアジアでは、韓国で森林療法の本がハングル語に翻訳出版されてきましたが、今年は、台湾で森林療法の本が中国語に翻訳され、出版されました。
韓国も台湾も、私たちの隣国ですが、それぞれ職場や地域、家庭などにおける日常ストレスにはかなりの共通点、類似性があるようです。
森林における保健休養は、国際的にも今後さらに大きな意義を持つことでしょう!
今月のひとこと(2013年8月:葉月)
暑中お見舞い申し上げます。
日本は春夏秋冬の四季がはっきりとした国です。
夏の暑さは、また格別ですね。
夏の真っ盛り、郊外の森林に出かけると、林内の気温は、都市部と比べて5~7度くらい低く、涼しく過ごしやすいことが多いです。
特に林間を吹き抜ける風は心地よく感じられますが、これは森林の日陰だけでなく、樹木から発散される水蒸気のおかげです。
よく言われるように、森の中には天然のクーラーが効いているのですね。
標高の高い場所の森林に出かけると、さらに気温は下がります。
盛夏を森林でも楽しんでみましょう!
早朝の散策 -連休におすすめです!
風薫る5月になりましたね。
5月といえば、まずはゴールデンウイーク、端午の節句です。
この連休にご家族で行楽にお出かけになられる方々も多いことでしょう。
しかしながら、いまにはじまったことではありませんが、この連休は、あちこちで渋滞が発生したり、多くの人出で混雑したりするところが多いのが実際のところです。
そんな時におすすめしたいのは、早朝の散策です。
これは何も観光地や行楽地だけではなく、ご近所の散歩でも同様です。
むかしから、「早起きは三文の得」と云います。これは早起きをすることによって、一日の時間を有効に使うということと同時に、生活のリズムを整え、健康的な生活を送るということも含んでいます。
そしてさらに早起きをしての散策ですが、これには大気、空気が関与します。まだ仕事や活動が始まらない時間帯は、交通量や人出も少ないため、排気ガスや大気中の浮遊物質が少なく、空気がまだ汚れていないのです。おまけに早朝のまちはまだ静かで、鳥の声などにも落ち着いて耳を澄ますことができます。
そこでその清澄な空気のもとでの散策を今月は特におすすめするわけです。
都市部、市街地では、幹線道路によってかなり空気が汚れているところがあります。現在はジョギングがブームですから、あちこちの道路で走っている人をみかけますが、場合によっては、健康に悪い時間帯、場所もあると思われます。
森林内には、大気浄化、騒音緩和などの効用が大なり小なりありますから、もしお近くに公園、寺社林などがありましたら、ぜひこの連休の朝は静かな木立の中で過ごしてみてはいかがでしょう?
早朝の散策は、とても爽やかです!
今月のひとこと(2013年4月)
ーさくらの花ー
東日本ではこれからのところもありますが、各地でさくらがきれいに咲いています。
さくらは日本の国の花でもあり、さくらの咲く風景は1年のうちでもとても華やぐ時節ですね。
でも、みなさんはこのさくらの花がどんな風に咲くのか知っていますか?
さくらの花は、春になっていきなり作られるのではなく、実は前の年の6月頃に花芽がつくられはじめ、9月頃におしべ、めしべができ、花芽と葉の芽との区別がついているのです。
でも、休眠物質の作用のため、秋には花は咲かず、翌春の春に開花をします。
さくらの花は、秋と冬の一定期間の低温(積算低温)を経験した後、気温の上昇とともに開花ホルモンからの作用が始まり、開花します。
寒さを積み重ねることによって、休眠物質が減少していくのですが、あたたかい冬では、休眠物質が減らないため、開花が遅れます。
私たちは毎春、きれいな桜の花に一喜一憂しているだけですが、そのきれいな花が咲くまでには、一定の寒い時期を、寒さのストレスを受けることがさくらにとっては不可欠なのですね。
逆に寒さが厳しかった冬の後は、春にあたたかくなると、さくらは急に花開きます。
さくらの花芽は2月頃から成長をはじめ、3月からは肉眼でも芽のふくらみがわかるようになります。
さくらの開花はかつて農作業(種まきなど)の始まりを告げる重要な役割を持ち、春の里ではピンクの色が目立つため、河川の氾濫などのあとの堤防修復の目印、基準点にもされていました。
今年のさくらの花、そして新年度、新学期はいかがでしょうか?