新着情報:今月のひとこと 一覧
こんなこともある!
2024年 令和6年 あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いいたします
年頭の一言は、その年の抱負や希望を語るものですね。
しかしながら、今年は、こんなこともあるということを一筆書きます。
今から10年以上前のこと。
「森林療法」という言葉を生んで、まだ数年の頃のことです。
ある団体がこんな問題を起こしました。
「森林療法の医療関係者をこの地域に連れてきてあげる」
ある一人の「医師」がとある地方自治体にそんな話をして、医療関係者を連れていく約束をしました。都会で開業をしている「お医者さん」です。
当時は、森林療法を求めて、様々な自治体が試行錯誤をしていました。
その医療関係者を待つ自治体の方々は、宿泊先、食事、移動のバス、そして手土産まで心づくしで対応をしました。
しかしながら、「医師」の方の実態は、実は医療関係者ではなく、「医師」が自分の仲間、知り合いに「一緒に〇〇市に行かないか? むこうが全部宿泊代も食事代も出してくれるよ」
と呼びかけて集まった「物見遊山のグループ」だったのです。
一行が去ったあと、「なにかおかしい」と思った自治体の方から私に連絡があり、事の顛末が明らかになりました。かなりの金額を使ってしまったそうです。
もうひとつ、同じ頃のこと。
ある大学の学生さんから、「森林療法について教えてください」とのメールがありました。
早速メールに返信をすると、「さすがですね!それでは、今から〇〇時間以内に、〇〇〇字位にまとめて送ってくれませんか? 今日の私のゼミ発表に間に合うと助かります」との返信でした。なんとその学生さんは、ゼミの要旨を巧みに書かせようとしていたのです。いまは、Chat GPTの時代ですが、この人にメールをすれば、簡単に答えを教えてくれると思われたのかも知れませんね。
様々なことが今年もあることと思います。
みなさまの地域に出かけ、みなさまからのご質問、ご要望にもおこたえしていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
理事長 上原 巌
事務局 一同
森林 それは身近にあっても遠い存在?
いよいよ今年最後のひとことになりました。
みなさまにとりまして、2023年、令和5年はどのような1年でしたか?
世田谷に残る里山の名残りの「成城三丁目緑地」での散策会をおこないました。
当地は、昔からの薪炭林、そして皇室の御料林が残る場所です。
世田谷在住か、世田谷にお勤めの30名の方がご参加されました(抽選です)。
しかしながら、その参加者のほとんどの皆様が、今回初めてこの緑地に入ったとのことでした。「いつも眺めてはいても、入ったことがない」「名前を知ってはいたけれど、実際に足を踏み入れたのは初めて」とのご意見が大半です。これらの言葉は、そのまま今の私たち日本人の言葉そのものかも知れませんね。森林は身近にあっても遠い存在なのです。
けれども、その初体験の方々も、「こんなにいい場所が身近にあったことを全く知らなかった」「初めてなのに、懐かしい」などの感想を話されました。
そこでどうでしょう。
この年末、そして来年2024年は、ぜひ身近な森林に入ってみてはいかがでしょうか?
森林で迎える新年もよいと思います。
本年も大変お世話になりました。
どうぞ良いお年を!
日本森林保健学会 事務局 一同
サザエさんと森林に出かけてきました!
2023年10月28日(土)
埼玉県秩父市にて、住宅メーカー主催、林野庁後援の植樹活動をおこないました。
今回の特別ゲストは、なんとサザエさん一家です!
「森は海の恋人」と云われるように、実は森林と海は川でつながっています。サザエさんご一家にも森林はかかわりがあるのですね。実際、サザエさんは、林野庁の「森の輪 応援団」も務めておられます。
植樹活動には、就学前のお子さんから80代までの幅広い方々が、総勢100名以上ご参加され、秩父の山林でみられる25樹種の樹木が約400本植えられました。
植樹後は、本学会の上原巌理事長による森林の解説と林床での休養時間、また逞しく生きる樹木の赤ちゃん(実生)探しなどのアクティビティも行われました。
森林と海をつなぐ、そして森林と人をつなぐ活動に、当学会でも取り組んでいきます。
秋の森
暑かった今年の夏もいつの間にか過ぎ去り、秋がやってきましたね。
秋の森を歩いて気がつくことは、森が静かなことです。
虫の音、鳥の声なども聞こえますが、秋の森には独特の静けさがありますね。
「秋晴れ」という言葉があります。
秋の晴天はすっきりしていて、高く、爽やかです。
秋の森にもぜひ出かけましょう!
手づくりの良さ
先日、九州の山間部を訪ねました。
放置里山の整備を行いながら、昔ながらの有機農法を実践している地域です。
そこでいただくお弁当はとても美味しい!
その理由は、地域の食材がそのまま生かされ、オリジナルのメニューで作られているからですね。
何よりも作ったみなさまの創意と手づくりの良さが伝わってきました。
しかしながら、です。
そのお弁当づくりに、業者が入り、公的な企画や運営になって、「認定」なども受けると、不思議なことに、この手づくりの美味しいお弁当はその輝きを失い、お金や広告のにおいのする別物に変わっていきます。
「公的な認定」を受け、美麗な宣伝も受けるのに、一体なぜでしょう?
これは、不思議なパラドックスです。
とどのつまり、手づくりの良さ、作った人のぬくもり、思い、創意工夫などは、規格化、数量化ができないのです。
数量化することができない自然、森の恵みをぜひお楽しみください!