新着情報:今月のひとこと 一覧
森林浴の効果に気持ちや性格は影響するか?
今年の連休、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
林間を爽やかな風が吹き抜ける、いい季節になりましたね。
この連休、各地で森林浴を楽しまれる方も多いことでしょう。
さて、その森林浴。
現在では、国際的にも様々な研究がされています。
森林浴をすると、日常的に健康になり、日常的にハッピーでいられる。
そうした研究結果が数多く得られています。
もちろん森林浴は、私たちの心身に健康をもたらします。
けれども、ここで1点気になることがあります。
それは、森林浴をして健やかになった、健やかな気持ちになったという、その効果には、基本的にその人の気持ちの持ち方や性格も影響していることと思われることです。
と言うのも、森林浴に出かける、森林に出かけたいと思う人は、もともと前向きな方、肯定的な方が基本的に多く、生活全般においてもポジティブな傾向があることが考えられるからです。その結果、もとから肯定的に考えるタイプの人は森林浴をしても満足度が高く、幸福感を肯定的に評価するといったデータが得られているのかも知れません。
みなさんご自身はいかがでしょうか?
ぜひ森林浴なんて胡散臭い、森林になど出かけるなどまっぴらごめん、という方とも、この連休は森林に出かける機会が持てればいいですね。
森林浴の効果に、その人の性格は影響するでしょうか?
雪は豊作の源
令和4年度、2022年度が始まりました。
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
ここは、信州の山寺の境内。
なごり雪が残っていますね。
この雪はまもなくとけてしまいますが、この雪は一体どこにいくのでしょう?
はい、もちろん水になり、地下にしみこんでいきます。
森林の土中にとけこんだ水はゆっくりと時間をかけて流れていく性質があります。
そのため、自然の山から流れ出る水は、いつでも変わらない量が保たれているのです。
けれども、やはり雪が多かった時は、里に流れ出る水の量がいくぶん多くなります。
大雪の年は、里の田畑を潤してくれる水が増すのですね。
雪から水への変化だけでなく、ものごとにはすべて流れ、流転があります。
今年度はどんな流れになるでしょうか?
令和4年度 2022年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。
日本森林保健学会 事務局一同
山の神様
今年は意外に雪の多い冬になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
まわりに根雪は残っていますか?
この春、私どもはまず、九州の熊本と福岡におうかがいしました。地域の高齢者グループホームや、山林のNPOの方々と地域の田園地帯や山林を歩いてきました。その散歩の際に小さな発見となったのは、山の神様です。
北から南まで、日本では各地域に山の神様がいらっしゃいますね。そのご神木や祠の形、飾りつけ、お供え物などにも地域の風土や文化がうかがえます。今回訪ねた熊本、福岡では、山の神様には竹筒が奉納され、それぞれお神酒や甘酒を入れてお供えがされていました。竹を使ったところに、九州の文化だけでなく、東南アジアからの文化・風習の行き来も感じた次第です。
みなさまのお住いのところの山の神様にはお姿やお供え物に地域の特徴はありますか?
春めいてきた今日この頃、山の神様、山の祠もぜひたずねてみてください。
意外な使い方
先日、信州のリンゴ農家の方から、もみ殻をいただきました。
なぜもみ殻?と思う方もいらっしゃることでしょう。
また、もしかしたら、「もみ殻って何?」という方もおみえかも知れませんね。
もみ殻とは、稲のお米を包んでいた殻のことです。
そのもみ殻は、リンゴの発送の時に梱包材としても使われるのですね。
梱包材と言えば、ビニールの「プチプチ」がすぐに頭に浮かびますが、そのリンゴ農家では、なるべく自然環境に還元できるものをということで、もみ殻を使っているそうです。
今回は、そのリンゴの梱包に使っていたもみ殻をいただきました。
さて、もみ殻を森林ではどう使いましょうか?
まずは放置状態で、植物がなく、土壌の痩せている人工林の林床に試験的に敷いてみようと思っています。野ネズミなどの野生動物も来るかも知れませんが、動物を誘因することによって、種子散布も期待できるかも知れません。また、ちょっとした林地肥培にもなるかも知れません。
何事においても、このような「意外な使い方」についても、本学会では取り組んでいきます。
ちょっとした心づかい
2022年 令和4年 あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
お正月をみなさん、どのようにお過ごしでしょうか?
お正月と言えば、お笑いのテレビ、お年玉、初詣などがあります。
けれども、お正月、そして冬の名脇役には、みかんの存在がありますね。
おこたつにあたりながらいただくお正月のみかんは格別です。
門松のアクセントにもみかんは使われています。
職場の近くのお蕎麦屋さん。カウンターでお蕎麦をいただき、食後にそのままお話をしていたら、お店の女将さんがみかんを出してくれました。さりげないその心づかいが人の心をあたたかくしますね。
森林の保健休養研究においてもその精神は同様です。
ちょっとした気配りが、保健休養効果を高めることは言うまでもありません。
いかにその心づかいを科学研究でも発揮していくか。それが本学会の課題でもあります。
今年は寅年。トラ、タイガーは、森林にすむ動物ですね。
動物にとっての森林の効用も考える一年にしてまいります。
日本森林保健学会 事務局一同