新着情報:今月のひとこと 一覧
森林浴の後は、なぜ眠くなるのでしょうか? ・・・森林は大きなゆりかごです
森林浴をした後は、帰りの電車でついウトウトと寝てしまう。
森林浴をした日は、夜によく眠れる。
いずれもよく聞くことですね。
みなさんもご経験はありますか?
森林浴のあとに眠くなるのは、運動に伴う疲労をはじめ、また森林浴による交感神経の副交感神経のバランスなどが影響しています。さらに電車やバスなどの場合は、揺れ、揺らぎがありますね。その揺れが心地よいゆりかごの役割をするのです。森林浴の帰りの電車やバスの車内でいつの間にか眠りに落ちてしまうのは、それが大きな理由です。また、ガタゴトと揺られている時には気持ちよく眠っているのに、2分間ほどでも停車をすると、ふと目が覚めることもありますね。これは揺れのリズムがなくなるからです。
そして、森林の中にもゆれやゆらぎがあるのです。風によって動く木々の枝葉、林間にちらつく木漏れ日、時折聞こえる鳥の声などもゆらいでいます。
つまり森林そのものが大きなゆりかごのような働きを持っているのです。
コロナ禍での生活が続いていますが、もし機会がありましたら、その森林での「ゆりかご体験」をしてみてください!
身近なみどりの活用を考えましょう
東京をはじめとした4都府県に3回目の緊急事態宣言が出され、コロナ禍での生活が相変わらず続いていますね。
けれども、ソーシャル・ディスタンスやマスク、消毒などに留意しつつ、散歩に出かけることは健康管理上も大切なことです。
しかしながら、ご高齢の方をはじめ、障害や疾病を抱えている方など、気軽に散策に出かけることができない方も大勢みえることでしょう。
そこで、本学会では、全国森林レクリエーション協会との共催で、5月15日(土)13:30から、「森林と心のユニバーサルデザイン 森のみどりはバリアを越える」というオンライン・シンポジュウムを開催いたします。参加費は無料です。
いまのコロナ禍での生活のもと、高齢者、障害者にとって、身近な森林、緑地を利用してどのような健康づくり、またみどりの楽しみ方があるのかを専門家の方々と一緒に考えます。
ご関心のある方は、下記のFormsからどうぞお申し込みください!
https://forms.gle/rn6rueqNXDkZY4i38
車いすに高齢者を乗せて、早朝の散歩をされている様子です(世田谷区)
樹木も人間も、生きるペースはそれぞれです
これは2本のケヤキです。
同じ場所に、同じ年に植栽されました。
けれども、芽吹きや開葉の様子が異なっていますね。
同じ場所でも、なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
それは、それぞれのケヤキの持つ遺伝性です。
一本一本の木は、芽吹きも落葉もそれぞれの体内時計を持っているのです。
個別にそれぞれのペース、リズムを持っていることは私たち人間も同じですね。
新たな年度、2021年度(令和3年度)が始まりましたが、自分のペースはそれぞれ異なります。
自分のペースとリズムで過ごしてまいりましょう。
春先の踏査
3月に入り、陽光が一段とあたたかく感じられるようになりました。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
長野県のある市町村の議会からリクエストがあり、当地のアカマツ・コナラ林に出かけてきました。
信州では木々の芽吹きはまだまだ先で、消雪期のいまは、見通しも良く、実は1年の中でも歩きやすい時期なのです!
葉は出ていなくても、落葉や樹皮から、様々な樹木の種類がわかります。
また、薬用樹木や食べられるものなども見つけることができるのです。
今年は、この森にもおじゃまし、林産物をはじめ、子どもたちの活動のプログラムを考える予定です。
みなさんのおすまいの場所の森林でも、なにかリクエストやご要望がありましたら、どうぞご一報ください!
引き続きのコロナ禍での生活のおり、どうかくれぐれもお体をご自愛ください。
理事長 上原 巌
魔法の水
欧米の童話や、日本の昔話では、木のウロ(穴)に溜まった水が、ある効力をもった魔法の水として登場することがあります。
たとえば、「森の奥の大木の二又にある水には若返りの効果がある」「山の木のウロの水で顔を洗ったら、おじいさんのこぶがとれた」などの出来事が登場することがありますね。
でも、実際にはどうでしょう。木のウロに雨水が溜まっているのを見かけることはありますが、そこにはボウフラがすんでいたり、茶色く濁っていたり、お話の魔法の水とはちょっと異なるようですね。
けれども、冬のこの時期の木の根元に水が溜まっているのを見かけることがあったら、一度じっくりと眺めてみてください。真冬では、意外に澄んだ水が溜まっているのを見ることができるでしょう。小さな池のように、そこには小さな生態系が存在していることを眺めることができることと思います。