新着情報:今月のひとこと 一覧
第15回 学術総会が大分県別府市で開催されました
本年度の日本森林保健学会の学術総会が、6月28日(土)、大分県別府市の国際会議場(ビーコンプラザ)にて開催されました。
大会長は、杉浦嘉雄先生。団体会員である日本造園修景協会大分県支部のみなさまには、事前のご準備から当日の運営まで大変お世話になりました。
杉浦先生、上原理事長の2件の基調講演のあとは、今年は11件もの会員発表がありました。二けたの研究発表は初めてです!
会場には、学会の会員だけでなく、大分県庁、別府市役所をはじめ、地元のみなさまが多数ご参加されました。
その後、定期総会と懇親会も盛況におこなわれました。
二日目は、朝9時過ぎから、別府公園にてバードウォッチングと樹木観察の研修会が開かれました。講師は初日に続いて杉浦先生、そして市内の樹木医の方や、別府市役所職員の方にもご案内をいただきました。バードウォッチングでは、双眼鏡の使い方から始まり、事前の予想以上に多種類の鳥たちが姿をみせてくれました。また、樹木観察では、アカマツをはじめ、公園内の樹木の根系の形状から、その成育状況をおしはかる方法などを学びました。
- 初日の学術総会の様子。 今年は11名の会員発表がありました。
- 二日目の研修会。 双眼鏡、望遠鏡の使い方から学びました!
盛りだくさんで、あっという間の二日間。開催地の大分のみなさまはじめ、遠路からご参加いただいた会員のみなさま、本当にありがとうございました!
来年度は、関西(大阪)で開催される予定です。
ぼちぼち森林に行ってみませんか?
5月31日(土)新宿の会場にて、対面とオンラインのハイブリッド開催で公開セミナーが開催されました。今回のテーマは、「ぼちぼち森林に行ってみませんか! ~障がい者・高齢者のための森林空間利用最前線 ~」。
日本森林保健学会は、日本森林林業振興会より2期6年間にわたって研究助成を受け、活動をしてまいりました。その報告会でもありました。
公開セミナーの当日の内容は、下記の通りです。
報告Ⅰ 上原 巌(東京農業大学教授)
障がい者・高齢者の森林空間利用の事例(1)
~高齢者介護・障がい者福祉施設、特別支援学級の事例報告~
報告Ⅱ 竹内啓恵(樹づ木合同会社 代表社員)
障がい者・高齢者の森林空間利用の事例(2)
~健康づくりを目的とした森林活用に初めて取り組む事例報告~
報告Ⅲ 高山範理((国研)森林研究・整備機構森林総合研究所 森林管理研究領域チーム長)
障がい者・高齢者の情報行動 ~森林空間利用の情報を届けるには~
報告Ⅳ 古賀和子(一般社団法人全国森林レクリエーション協会研究員)
障がい者福祉・高齢者介護施設利用者の森林空間の利用状況
~アンケート調査結果より 「やらない理由」から見えてくるもの~
報告Ⅴ 住友和弘(東北医科薬科大学若林病院総合診療科病院教授)
森林空間利用による健康づくりの有効性 ~森林空間内の揮発性物質について
そして、翌日の6月1日(日)は、埼玉県飯能市の山林で、都内の社会福祉法人の皆様との森林療法のワークショップが開催されました。
- 飯能市でのワークショップの様子
- 小学生との活動
- 芳香水の製作
内容は、小径ヒノキの間伐、剥皮、コースターづくり、ピザづくり、芳香水の製作です。
また、小学生との活動を今年もおこなっていますが、森林療法は、身近な森林でどなたにもできるものです。
ぜひ身近な方と出かけてみてください。
今月末は、大分県別府市にて、本年度の学術総会が開催されます!
都会のシークレット・ガーデン
今年の連休、いかがお過ごしでしょうか?
わたしは、今春3月にオープンし、今月10日(土)にお話会と散策会をおこなう、東京・世田谷の桜新町にあるブックカフェに出かけてきました。カフェには様々な古本が集まり、わたしの本も何冊か並んでおります。
散策会では、カフェの近くにある教会所有の緑地に出かける予定で、その下見もいたしました。旧邸宅跡であるその緑地には湧水による大きな池もあり、都内にいることを忘れる、とても静かな素晴らしい場所です。
- 大きな池のある素敵な空間です
- 教会の祭壇を再利用したブックカフェのコーナー
「秘密の庭」「シークレット・ガーデン」がロンドンなどの大都会にもありますね。知る人ぞ知る、隠れた名所になっています。
この連休は、あなたのとっておきのみどりの癒し空間も探してみてください。
(理事長 上原 巌)
今年はワークショップの年になります
この3月は、福岡県八女市、福井県越前町でワークショップをおこないました。ともに地域の森林に出かけ、地域のみなさまと交流をし、地域の森林と人間の健康を考えました。
ワークショップの内容は、
① その地域の森林はどのような森林か?
② どのような植物があるか?
③ どのような活用方法があるか?
④ どのような歴史があるか?
⑤ どのような風景があるか?
などを参加者のみなさんと一つ一つ考えていきます。
そして、各地で感じ入るのは、ご当地の食です。いずれも地域の水、植物と関わり、森林に結びついています。でも、森林で過ごすこと、郷土の食べ物をいただくということは、やはり人と人との結びつきがあってこその賜物です。また、その際の気配り、心意気が、人の心を元気づけ、また森林も元気づけていくのですね。
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地域の森林を歩く
(越前町)
- 手書きのメッセージ付きのお弁当(越前町)
今月は福岡県北九州市にもおうかがいし、来月は埼玉県でもワークショップをおこないます。
2025年は、ワークショップの1年になることと思います。
各地域でのリクエストにも幅広くお応えしていきたいと思いますので、どうぞお気軽にご一報ください!
神-森-樹木-信仰-人間
先日、信州の伊那谷に出かけてきました。途中で諏訪を通りましたが、諏訪では「御柱祭り」という郷土歴史色の濃いお祭り、日本三大奇祭にも選定されています。
その御柱祭りでは、天然性の高齢のモミの木が森から伐り出され、人々の手によって山峰を越えて運搬され、奉られます。つまり神様と森林と人間が御柱を仲立ちとしてつながるという習わしでもあります。
しかしながら、森林、樹木を媒介して、神と人間がつながるという行為は、実は他国でもみられます。林業国のドイツでも、毎年5月には「Maibaum:5月の木」と名付けられたマツ科やカバノキ科の樹木が神聖な木として選ばれ、まちなかに立てられます。
日本の神社の境内や参道には、高くそびえるスギやクスノキのご神木がありますね。それらのご神木は神様が降臨しやすいように背高く保存され、あるいはご神木そのものが神様になるのです。
- 諏訪の御柱祭りのモミの木としめ縄(JR岡谷駅)
- 毎年5月に立てられるドイツのマイバウム
森林や樹木を介して、神と人間が接する。
国際的、民族的にも面白いテーマですね。