新着情報:今月のひとこと 一覧
手づくりの良さ
先日、九州の山間部を訪ねました。
放置里山の整備を行いながら、昔ながらの有機農法を実践している地域です。
そこでいただくお弁当はとても美味しい!
その理由は、地域の食材がそのまま生かされ、オリジナルのメニューで作られているからですね。
何よりも作ったみなさまの創意と手づくりの良さが伝わってきました。
しかしながら、です。
そのお弁当づくりに、業者が入り、公的な企画や運営になって、「認定」なども受けると、不思議なことに、この手づくりの美味しいお弁当はその輝きを失い、お金や広告のにおいのする別物に変わっていきます。
「公的な認定」を受け、美麗な宣伝も受けるのに、一体なぜでしょう?
これは、不思議なパラドックスです。
とどのつまり、手づくりの良さ、作った人のぬくもり、思い、創意工夫などは、規格化、数量化ができないのです。
数量化することができない自然、森の恵みをぜひお楽しみください!
身近なところに自分の常備薬があります
残暑お見舞い申し上げます。
毎年繰り返されるセリフかも知れませんが、「今夏の暑さは格別ですね」。
どうかくれぐれもお体をご自愛ください。
先日は、福井県に戦国時代の植生復元の仕事で出かけてきました。
今から450年ほど前、毎日の生活では現代よりもはるかに数多くの種類の植物、樹木を利用していました。
なかでも、病院がなかった当時、薬草、薬木は大切な資源でした。
それらの植物は特別な場所ではなく、身近なところにあったのです。
そして、21世紀の現在でも、実はその薬草薬木は私たちの身近なところにあります。
いましばらくは暑い日が続きますが、自分の健康に良い植物を探してみませんか?
第13回学術総会&研修会が仙台市で開催されました!
暑中お見舞い申し上げます。
今年の学術総会と研修会は、事務局の東京農業大学(世田谷)を初めて離れ、仙台市で開催されました。
6月17日(土)は、東北医科薬科大学70周年記念講堂にて学術総会が開かれました。
大会長の住友和弘教授の基調講演、東北森林管理局の宮澤俊輔氏の特別講演がおこなわれ、血圧測定、唾液アミラーゼによるストレスチェック、POMSの記入のよくある3つの尺度測定についてのハンズオンセミナーが新たなこころみとして実施されました。
[血圧、ストレス、心理検査のハンズオンセミナー。とても好評でした。]
その後、会員発表がおこなわれ、夕方からの懇親会も盛況でした。
翌日18日(日)は市内の青葉山公園にて研修会が行われ、森林散策の前後には血圧と唾液アミラーゼの測定もおこなわれました。
[青葉山での研修会:研修会後、過半数の参加者の血圧、ストレスが下がりました。]
両日ともお天気に恵まれ、開催することができました。大会を運営された住友先生、また終始お手伝いをいただいた及川結さん、二日間ありがとうございました。また、遠くは関西からご参加された会員のみなさま、おつかれさまでした。
来年は、つくばの森林総研で開催される予定です。
学会誌「森林保健研究」も近日中にお手元にお届けできる予定です。
林業と、もうひとつは何?
暦は6月。これから梅雨の季節ですね。
今年は桜の開花や木々の芽吹きが早かったので、梅雨入りも早いかも知れません。
先日、信州そばの種子をシャーレ、鹿沼土、庭土に蒔いてみました。
発芽は三日後。発芽率はほぼ100%です。
痩せ地でも育つソバは、山間地で育てられ、林業の片手間にも栽培されました。
「林業+X」、「本業+X」が指摘される今日、ソバの存在価値は見直されています。
ちなみにソバのこの幼苗、おひたしにして食べることもできるのです。
また、そば殻は枕にも使われますね。
林業と何かもう一つ。それは木材以外のアメニティが多いです。
樹木の香りは抗菌スプレーにも使えます!
風薫る皐月をいかがおすごしでしょうか?
さて、写真は、山林から採集したクロモジの枝を65%エタノールに漬けたものです。
クロモジ(クスノキ科)の成分が入り、良い芳香がします。
長いコロナ禍の生活ですっかりエタノールは日常のあちこちでみかけるようになりました。
でも、樹木の香りを加えるだけで、その用途はさらに広がりそうですね。
森林、樹木の恵みは様々なところでこれからもその魅力を発揮していくことでしょう。