新着情報:information 一覧
暑中お見舞い申し上げます IUFRO:ユフロ をご存じですか?
毎日暑い日が続いていますね。
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
さて、今回は、国際学会のご紹介です。
みなさん、IUFRO:ユフロという名称を聞いたことはありますか?
IUFROとは、The International Union of Forest Research Organizations の略記で、国際森林研究機関連合のことです。国際森林学会と訳されることもあります。
本学会、日本森林保健学会は、森林と人間との健康について研究、考究をする団体ですが、今年のIUFROにおける研究発表大会の筆頭テーマは、なんとForests and Human Health、私どもと同じテーマなのです!このことからも、いまや国際的にも、森林と人間の健康の関係性が着目され、同時にその需要も高まっていることがうかがえますね。そうです、私たちが日頃考え、取り組んでいるテーマは、そのまま世界共通の研究テーマでもあるのです。
みなさまもぜひ国際発表をされてみてはいかがでしょうか?
この夏は、世界的視野で考える時間も過ごしてみましょう。
【活動報告】第12回学術総会
第12回学術総会が対面とオンラインのハイブリッドで開催され、研修会が明治神宮でおこなわれました
6月25日(土)、今年も東京農業大学を会場にして、本学会の第12回学術総会が「森林とコミュニケーション」をテーマに開催されました。
学術総会ではまず、5月に一緒に森林公園を一緒に散策させていただいた、東京都立文京盲学校の近藤美紀副校長先生より基調講演をいただきました。
近藤先生、ご多忙の中、貴重なご講演をいただき、誠にありがとうございました。
そして午後2時から、会員の研究発表。今年は9件の発表があり、ユングの心理学、クロモジの挿し木、地域の森林整備における薬用植物図鑑の作成、大学構内での散策効果、盲学校の生徒さんとの森林公園での散策、地域における高血圧、認知症、コロナ対策としての森林散策、そして樹木の香りなど、多彩な研究発表がおこなわれました。約4時間に及ぶ長時間の研究発表になりましたが、参加者の方々は終始熱心で、各発表に対しての質疑応答も活発におこなわれました。
なお、オンラインとのハイブリッドでの開催であったため、ところどころ音声の不備やマイクの不足などがあり、発表者のみなさまには大変ご迷惑をおかけする場面がありました。しかしながら、そこで発表がストップしてしまうのではなく、会員相互のコミュニケーションに好転し、解決にむすびついたところも、本学会の特徴でした。まさに開催テーマの「森林とコミュニケーション」の一端がうかがえた次第です。
長時間にわたって、研究発表と質疑応答が熱心におこなわれました。
翌日26日(日)は、明治神宮の杜で研修会が開催されました。住友和弘理事のご指導のもと、生理検査、心理検査の手順と測定方法について、またメディカルチェックや準備体操について解説を交えながらの研修がおこなわれました。その後、竹内啓恵新理事のガイドによる森林ウォーキングを約90分おこない、再度、生理検査、心理検査の測定がおこなわれ、最後にそのデータの解釈について住友理事より解説がありました。
参加者のみなさん、測定のコツなど会得されましたでしょうか?
研修会の様子。各検査の測定のコツなども伝授されました。
以上、第12回学術総会も無事に終了したことをご報告いたします。
なお、来年度は、仙台を会場に開催される予定です。
また、近日中に、本会の学会誌「森林保健研究」も発行されます。
第12回学術総会 プログラム
会員発表が確定しましたので、当日のプログラムスケジュールをお知らせします。
テーマ:「森林とコミュニケーション」
開催日:2022年6月25日(土)13:00~
会場:東京農業大学・世田谷キャンパス 1号館142教室 & ZOOMオンライン
〇スケジュール
- 基調講演 13:00~13:45
「ご存知ですか?盲学校のこと」 近藤美紀(東京都立文京盲学校 副校長) - 会員発表 14:00~17:00(一人15分:発表12分、質疑応答3分)
①14:00~14:15
「『森に近い生活』は都会人に何をもたらすのか? ユングの『タイプ論』の視点から」 近森 聡(関西大学)②14:15~14:30
「森林散策に適した服装に関する考察―玉川上水散策時の帽子内温湿度の比較から―」
北 徹朗(武蔵野美術大学)③14:30~14:45
「クロモジの冬挿し試験」 上原 巌(東京農業大学)④14:45~15:00
「『里山林と周辺環境の薬草・薬木図鑑』その作成過程と今後の課題 〜過疎高齢地における 放置里山林再生のための一手段としての試み〜」
杉浦 嘉雄(NPO法人 大分環境カウンセラー協会)⑤15:00~15:15
「キャンパス内における森林散策の効果」
菅谷智一1、髙松栞2、矢ヶ部未奈2(1筑波大学医学医療系、2筑波大学大学院)⑥15:15~15:30
「森林公園を利用した視覚障害者のレクリエーション活動の事例」
竹内啓恵1、住友和弘2、高山範理3、木下喜博4、上原巌5(1樹づ木合同会社、2東北医科薬科大学若林病院、3森林総研、4全国森林レクリエーション協会、5東京農業大学)⑦15:30~15:45
「森林ウォーキングの多様な効果~障がい者の自立訓練事業所「森歩き」プロジェクトの事例報告~」
安室誠之1、余頃友康2、松本直也3、住友和弘4(1東北医科薬科大学病院看護部、2フォレストデザイン、3メディカメンテ、4 東北医科薬科大学若林病院)⑧15:45~16:00
「森林でのキャンプが子供の心理状況に与える影響」
工藤啓靖1、安室誠之2、松本直也3、住友和弘4(1東北医科薬科大学医学部、2東北医科薬科大学病院看護部、3メディカメンテ、4 東北医科薬科大学若林病院)⑨16:00~16:15
「森林浴を利用した地域住民の高血圧予防の取り組み~黒松内町の事例~」
相原晃暢1、勝田義久1、佐々木しおり2、松本直也3、有馬遥太郎2、住友和弘4(1東北医科薬科大学病院総合診療科、2東北医科薬科大学病院薬剤部、3メディカメンテ、4東北医科薬科大学若林病院)⑩16:15~16:30
「認知症カフェの取り組み」
佐々木詩織1、松本直也2,住友和弘3(1東北医科薬科大学病院薬剤部、2メディカメンテ、3東北医科薬科大学若林病院) - 総合討論 16:30~17:00
- 会員総会 17:00~17:20
〇参加費用
会員は参加無料です。
非会員は2000円です。学生の場合は事務局までお問合せください。非会員は基調講演と会員発表をご聴講できます。
〇第12回学術総会・研修会(会員限定)
開催日:2022年6月26日(日)明治神宮。
研修会講師:住友和弘(東北医科薬科大学若林病院総合診療科)
時 間:10:00~12:00 9:50に現地集合 ※詳細は25日に連絡します。
※出欠のご返信がまだの会員は、お早目にご連絡をお願いいたします。
※事務局メールアドレス: info@forest-and-human-health.jp
「森林と心のユニバーサルデザイン~森のみどりはバリアを越える2022~」開催報告
さる6月1日(水)、シンポジュウム「森林と心のユニバーサルデザイン 森のみどりはバリアを越える2022」が新宿会場とオンラインのハイブリッド形式で開催され、会場、オンライン共に盛況でした。
主催は、全国森林レクリエーション協会です。
日本森林保健学会は、研究助成事業「森林を活用した障害者・高齢者の保健休養及びレクリエーションの今後の展開方向に関する実証的調査事業」を3年間おこないました。今回はその事業の報告を通して、森林における障害者・高齢者の保健休養及びレクリエーションの現状や課題、そして障害の有無にかかわらずすべての人が森林を活用して、その保健休養効果の恩恵を享受していくための方法、さらに、障害者等に対応した森林レクリエーションエリアにおける施設整備の促進と障害者等の森林の保健休養、レクリエーション活用を支援する仕組みづくりの必要性について考えるシンポジュウムをおこないました。
開会にあたっての沼田正俊さま(全国森林レクリエーション協会理事長、元林野庁長官)挨拶では、事業を担当した本学会への謝意もいただきました。
シンポジュウムは、ご参加された皆様が熱心に聴講いただき、最後に質疑応答もおこなわれ、終始あたたかで良い雰囲気の会となりました。この場を借りて、ご参加された皆様方に厚く御礼申し上げます。
なお、本事業の報告書、ならびに「障害者・障害者のための森林のレクリエーション利用のてびき」はまもなく全国森林レクリエーション協会より発行されます。
シンポジュウムの内容は以下の通りです。
開催日時:2022年6月1日(水)13:30~16:00
主催:一般社団法人全国森林レクリエーション協会
後援:日本森林保健学会
対面およびオンライン開催
【スケジュール】
総合司会:木下喜博(全国森林レクリエーション協会 専務理事)
13:30 開会挨拶:沼田正俊(全国森林レクリエーション協会 理事長)
13:35~14:05 総括報告 上原 巌(本学会理事長、東京農業大学 教授)
14:15~14:30 事例報告 盲学校の事例
竹内啓恵(本学会事務局、全国森林レクリエーション研究員)
14:30~14:45 事例報告 国内または海外の森林公園の事例 上原 巌
14:45~15:00 事例報告 高齢者の事例 住友和弘(本学会理事、東北医科薬科大学 教授)
15:05~15:50 パネルディスカッション
司会:高山範理(本学会理事、森林総合研究所 上席研究員)
登壇報告者:上記のほか、
近藤美紀(都立文京盲学校 副校長)
中村考一(認知症介護研究・研修東京センター 研修企画主幹)
樹木の葉の魅力
これは、和食に添えられたイロハモミジの葉。
モミジなどの葉に着目した、徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」はことに有名ですね。
たしかに、和食にカエデの葉は似合います。
でも、なぜ樹木の葉が料理の添え物に合うのでしょうか?
ずばりその答えは、葉自体が持つデザインです。
自然の造形は、余計なものがなく、シンプルで力強い。
まさに和食にぴったりの脇役なのです。
けれども、樹木の葉にはまだまだ別の可能性もあります。
用材や効能だけでなく、樹木の葉の魅力をさまざまな角度から見つめてみましょう。