新着情報:今月のひとこと 一覧
野外、自然での遊びの意義とは?(今月のひとこと:6月)
これは、今からちょうど50年前の1969年(昭和44年)の長野市の保育園児の遠足の様子です。アカマツ林の急斜面をたくましく登っていく園児の姿が写っていますね。
しかし、現在では、このような子どもの姿はあまり見られなくなりました。
ところで、子どもにとって、野外、自然での活動はどのような意義を持っているのでしょうか?
園舎、園庭は、人の作った人工的空間です。そこは、秩序、ルールの世界であり、作為的で制限があり、自由度が低い世界であるともいえます。
それに対して、野外・自然は、無作為の世界であり、「ゆらぎの構造」があり、危険度が高い反面、自由度、創造性も高い世界であるとも言えます。
また、自然での遊びには、
(1)身体的、運動的発達
(2)社会性の発達
(3)情緒安定化、感性の発達
(4)自発性、自立性の獲得
(5)知的能力の発達
の5つの可能性があることも指摘、報告されてきています。
ノーベル賞受賞者にも、「幼少期は自然の中で遊んでいた」という経験を持つ人も数多いですね。
しかしながら、もちろん、自然、森林には良いことばかりがあるわけでは決してありません。大きな危険やリスクも常に存在しています。
創造性と危険性は、常に背中合わせなのですね。
※6月22日(土)のシンポジウムでは、子どもの森林、自然体験についてのお話もあります。
どうぞお出かけください!
都会の森:明治神宮の杜(今月のひとこと:5月)
今年のゴールデン・ウィークは、10連休!
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
最近では、海外からの来訪者も数多い明治神宮。
参拝者は年間約5百万人で、日本一の数です。
明治神宮の杜は、今から1920年(大正9年)に造成された人工林です。
それから約100年の年月が経ち、現在の神宮の杜は、常緑広葉樹を中心とした森に遷移をしています。
境内では、森から生まれ落ちたドングリから、広葉樹の苗木も育てられています。
また、境内には、神様にお供えするお米を作る田んぼもあるのです。
※一般の方は入れません。
これは神殿前のクスノキ。大きなブロッコリーのような、クスノキ本来の樹形になっていますね。
日本の各地に、寺社林があります。
この連休は、趣向を変えて、神様の杜を訪ねてみてはいかがでしょうか?
本年度もどうぞよろしくお願い申し上げます(今月のひとこと:4月)
4月1日(月)、また新たな年度、学期が始まりました。
新入生、新社会人のみなさん、いよいよスタートですね!
信州で今春初のふきのとうのてんぷらを食べました。
森林、里山には、有形無形のさまざまな恵みがあります。
本年度の当学会は、創設10周年。
その節目の年も記念して、6月には大きなシンポジウムを予定しています。
入場は無料、会場は、東京農業大学(世田谷)です。
たくさんのみなさまのご来訪、ご参加をお待ちしています!
「森林と健康」シンポジウム 6月22日(土)に開催します!
場所:東京農業大学 入場無料(事前申し込み制)です。
どうぞお出かけください!
春先の山歩き(今月のひとこと:3月)
みなさんは、春先の山歩きはされていますか?
この時期、ナラやカエデなどの落葉広葉樹を主とした森の林床には、うずたかく落ち葉がつもっています。
静かな春の山で、ガサゴソと音を立てながら、また時には落ち葉に足を取られながら歩くのは、童心にも戻ることもでき、よいひとときとなります。
かのディッケンズも名作「クリスマス・キャロル」の中で、「森の中で、落ち葉に足を取られながら歩くのは楽しい」と書いています。
雪の静寂(今月のひとこと:2月)
冬の白い世界を作り出す雪。
単に美しいだけでなく、その雪には吸音効果があります。
雪の降る朝、静かな雰囲気で目が覚めるのは、その吸音効果のためなのですね。
雪の中に寝そべり、林冠を仰ぎ、枝条の間を流れていく雲を眺める。
雪の静寂を楽しむそんなひとときはいかがでしょうか?
※もちろん、そのまま寝入らないでくださいね!